しかし、永島さんは個別審査の結果、対象外とされた。
永島さん:
自分の子供よりも軽度の子が同じような週数で生まれて、状態がいいのに個別審査で対象になっているのを見てきているので、長年もやもやした気持ちがありました
こうした個別審査で対象外となった事例について、制度を運営する日本医療機能評価機構は、2020年に分析を実施。
その結果、対象外となった事例のうち「99%は分べんに関連した脳性まひであると考えられる」と発表し、「個別審査の基準は医学的妥当性に欠ける」と結論付けた。
これを受けて2022年1月に制度が改定され、個別審査がなくなり、28週以降の出産であれば、原則補償対象となった。
ただ、永島さんのように、すでに対象外となった人たちは補償を受けることができない。
永島さん:
脳性まひ児のために支払われるお金だと思うんですね。出生でトラブルになった子に、きちんと補償してほしいと強く思っています
1回2万円のリハビリも…重い自己負担
手足をうまく動かせない脳性まひ児は、リハビリでその動きを学んでいく。
永島さんは通常のリハビリに加えて、より専門性の高いリハビリを受けるために、車で1時間半をかけて、月に1,2回西宮市の施設を訪れる。
リハビリの先生:
これ本当は難しい姿勢なんだけど、本番に強いね
永島さん:
すごいですね、上手になっています
リハビリを続けることで、嶺君は少しずつできることが増えてきた。
しかし、ここでは保険がきかないため、1回約2万円の料金は自己負担だ。
永島さん:
同じ週数で生まれて個別審査で対象となった家庭は、バリアフリーの家を建てたりとかリハビリ室を家に作ったりした人もいるので。
脳性まひになるって宣告された日から「子供のリハビリだけは一生懸命やってこよう」と思っていたから、そういうのを聞くと、運動機能を維持して健康に長く過ごしてもらうためにも、(補償金があれば)今からでもそういう環境を整えていきたいなって思います