〈あらすじ〉

元女優のサンオク(イ・ヘヨン)が、長年生活したアメリカから突然帰国し、疎遠だった妹ジョンオク(チョ・ユニ)が暮らす、ソウルの高層マンションに身を寄せる。ある晴れた日、サンオクは妹と川辺や公園を散歩した後、幼少期に住んでいた家を訪ねて追憶に耽る。その日の午後、サンオクは初対面の映画監督(クォン・ヘヒョ)とのランチへ向かう。小さな居酒屋で酒を酌み交わしながら、彼はサンオクの演技を絶賛し、次回作への出演を依頼する。サンオクはその申し出を断り、妹にも話していなかった秘密を語り始める。

〈解説〉

ホン・サンス監督の長編第26作。人生の岐路に立たされた中年女性が、過去と向き合いながら自身を見つめ直す1日を描く。85分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★★自分の半生をたどる旅。主人公の心の変化を過不足なく。「世界はこんなに美しい」と言える瞬間。橋の下で喫うタバコ。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆伏線の回収などといったお約束に縛られず、眼の前を流れる時間を生体解剖する。ホン・サンスの流儀がまた渋さを増した。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆これまでのホン・サンス監督作品とは別格。埒もない謝罪の電話にサンオクの乾いた笑いが生命のエロスを放つ。沁みた。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆この監督ならではの鮮麗な語り。メロドラマにも成り得る主題が日常に溶け込み、ふとした瞬間に心を深々と射抜かれる。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆帰郷、死、再生を扱う珍しいホン・サンス、次章への転換期か。「生」への邁進が主人公と背景に垣間見られ己に響く。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
  •  
© 2021 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved

『あなたの顔の前に』(韓)
6月24日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次ロードショー
http://mimosafilms.com/hongsangsoo/