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〈証拠文書、LINE入手〉「2000万円どころじゃない」加賀の名門旅館「雇用調整助成金」巨額不正を従業員が悲痛告発

〈証拠文書、LINE入手〉「2000万円どころじゃない」加賀の名門旅館「雇用調整助成金」巨額不正を従業員が悲痛告発

source : 週刊文春

genre : ニュース, 社会

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「反省もあって…」

――休業中の社員を出社させていたと聞いている。

「それはない。あの……調査中です」

休業日は「公休日ではない」と主張する社内文書

――休館中も幹部社員は通常通り働いていましたよね。

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「そういう認識はないです」

――ではなぜ労働局が調査しているのか。

「会社側の認識とちょっとズレがあるので」

――十分なサービスもできないと社員が嘆いている。

「GoToの時に人手が足りなくなって、反省もあって、人数を増やしている」

 会社に改めて質問状を送ると、一部回答を翻し、概ね次のように答えた。

「不正受給を行った認識はないが、タイムカードと時間外申請書との不一致により受給した金額(2000万円程度)があることは事実。返還したい。(課長以上が出勤していた件は)休業日には出勤しないというルールの徹底不足であり深く反省しています。(清掃業務は)除菌作業を行えないような状況とは考えていません。(有休は)全社員取得出来ている。賞与は赤字のため支給出来ていません」

 あくまで「不正」ではないと言い張っていた社長。C氏は嘆息する。

「そもそも、タイムカードの記録に基づいて作られるのが時間外申請書。不一致が生じているのは、会社の担当者が故意に操作し、実際にはあった“休業出勤”をなかったことにしていたからに他なりません。会社の指示に従わずにタイムカードを押し続けた社員がいたことから発覚したもので、実際にはタイムカードにも記録されていない膨大な“休業出勤”が存在するということです」

 「お客さんの笑顔が見たい」とよろづやに就職したというB氏は続ける。