「文春社内は騒然としているでしょうね。まさか自分たちが文春砲に直撃されるとは思ってないから」

 と笑うのは、ノンフィクションライターの柳澤健さん。

『週刊文春』『スポーツ・グラフィック ナンバー』『CREA』などの編集者として活躍したあと文藝春秋を退社してフリーに。

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 ジャイアント馬場、アントニオ猪木からUWF、女子プロレスに至るプロレス関連の著作には定評があるが、最新作の『2011年の棚橋弘至と中邑真輔』(小社刊)では現在進行形のプロレスに挑戦。格闘技に押されて倒産寸前に追い込まれた新日本プロレス復活の物語を描いた。

 さて、小社にとっては身内とも言うべき元社員にして現執筆者が、『小説宝石』(光文社)で「2016年の『週刊文春』」の連載をスタートする。長年培った人脈と取材力で、社長の松井清人、現『週刊文春』編集長の新谷学ほか、文春のキーマンを多数取材して、2016年の流行語にもなった“センテンススプリング”の秘密を明らかにしようと張り切っている。

「僕は文春が大好き。こんなに明るくて自由な会社はどこにもない。いま、紙媒体全体がインターネットに押されてちょっと元気がないけど、もともと編集者はすごく楽しくてスリリングな最高の仕事。新谷編集長と、私の元上司で90年代前半に編集長を務めた花田紀凱(かずよし)さんのふたりを主人公に、波瀾万丈の青春ノンフィクションを書くつもりです。乞うご期待!」

INFORMATION

「2016年の『週刊文春』」
『小説宝石』1月号より連載