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“下町スワローズ”再び 窮地のチームを鼓舞するのは坂口智隆だ

文春野球コラム ペナントレース2022

2022/07/13
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 みなさん、こんにちは。東京ヤクルトスワローズ広報部の三輪正義です。

 交流戦優勝、史上最短でのマジック点灯、14カード連続勝ち越しと、怖いくらいに順風満帆だったチームがいま、正念場を迎えています。もうご存知のことと思いますが、新型コロナウイルスの蔓延による陽性反応。髙津臣吾監督をはじめ、1軍コーチ、選手の大半がしばらくの間、戦列を離れることになりました。ファンのみなさんにはご心配をかけて本当に申し訳ありません。また中止となった7月9日、10日の神宮球場での試合にお越しになる予定だった、タイガース・スワローズ両チームのファンのみなさまにもお詫びをいたします。

 そんな気持ちがちょっと沈んでしまうなか、僕にとって、球団にとって、気持ちが晴れやかになるイベントがありました。7月の3日間、近隣の保育園・幼稚園に通っている園児、9園約400人を神宮球場に招待してのグラウンド開放を行いました。

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 このイベントは球団の社会貢献の一環として行われており、コロナ禍で3年ぶりの開催。今回は僕が保育園・幼稚園との窓口となって、調整をすすめてきた「ビッグイベント」なのです。

神宮球場を駆け回る園児たちに癒やされる

 子供たちに野球というスポーツに触れてもらうため、柔らかいボールとバット、そして三角コーナーで作ったティーを使った「ティーボール」で遊んでもらい、神宮球場を思う存分走り回ってもらいました(このティーボールのセットは今後、継続して園でも遊んでもらえたらと、保育園・幼稚園に球団がプレゼントすることになっています)。神宮球場さんもスコアボードのビジョンに園の名前を掲出してくれたりと、全面的なご協力をいただきました。子供たちの元気に走り回る姿と笑顔が我々スタッフの気持ちを本当に明るくしてくれたのは言うまでもありません。

幼児用ティーボールセットを保育園・幼稚園に配る準備をする筆者 ©三輪正義

 子供たちがさらに笑顔になったのは、あのマスコットの登場。酷暑のなか、つば九郎先生にも“ひと肌脱いで”もらったのですが、容赦なく暴れてくれました。イベントの最後、つば九郎への質問コーナーと題して、園児からの質問を受け付けました。園児からは「つば九郎のくるくるまわすやつ(空中くるりんぱ)なぜ成功しないんですか?」などと鋭い指摘があったり(ちなみにつば九郎は「がんばります」としかフリップに書けてませんでしたが)。スワローズのなかで好きな選手はいる? と聞くと「髙津選手!」と答える、いったい何歳なの?と思わず聞きたくなる園児がいたり。

園児からの質問にも“通常運転”のつば九郎

「つば九郎の好きな食べ物はなんですか?」「好きなことはなんですか?」という園児からの質問には「にんにく、ほるもん」「ぎゃんぶる」と、引率の先生が苦笑いする回答を容赦なく浴びせるつば九郎。園児たちのポカンとする顔は印象的でしたね。

 そして、もうひとつ嬉しいことが。なんとこのコラム、最近、各所でお褒めの言葉をいただくようになりました。先日小川淳司GMが僕のところにいらっしゃったので何ごとかとビクビクしていると、小川GMがサンケイスポーツの取締役の方とお話をしたときに「三輪のコラムがいい」とお褒めの言葉を預かってきたとか。

 さらには神宮球場の僕より年上の偉い方からも直接「あれ、面白いね」と言っていただきました。「HITボタン押しくれました?」と聞くと「押してない!」というおまけつき。「ダメじゃないですか!」と思わずツッコミを入れてしまいましたが、これをお読みの皆さんには、文末のボール型のHITボタンを押す(クリックする)までが“一連の流れ”であるということを強調したいと思います。

内川、西浦、西田、太田ら1軍経験豊富な選手が虎視眈々と爪を研いでいた

 さて、窮地に陥ったように見えるチームですが、みなさん安心してください。今後、2軍から選手・コーチを何人か補充して試合を行うこととなりますが、チームの状態が良かったせいで1軍から声がかからなかった選手が虎視眈々と爪を研いでいました。

 内川聖一さん、西浦直亨、西田明央、太田賢吾ら1軍経験豊富な選手、そして現行の1軍には村上宗隆、オスナを筆頭に、山崎晃大朗、荒木貴裕、嶋基宏、そして坂口智隆が万全の状態でいます。

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