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本当に秋山は必要だったのか?

 今季、中堅手は鈴木将平や愛斗らが守ってきた。正直、いまのところ、決め手に欠ける部分は否めない。だから、フロントは獲得に動いたのだろう。

 しかし、すんなり秋山が中堅手におさまるところを想像すると、頭の中に「?」が浮かんだ。

 あれ? それでいいのかな?

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 たしかに、再びセンターラインが固まり、チーム力は増したかもしれない。

 捕手の森友哉が少しずつ調子を取り戻し、二塁に外崎修汰、遊撃手に源田壮亮がいて。センターラインから少し視線をずらせば、一塁には4番打者として復活を果たした山川穂高がいる。

 それって18、19年のリーグ連覇したときの骨格に戻っただけじゃないか、と。

 去年、あれだけ悔しい思いをしながら愛斗や岸潤一郎、呉念庭を使い続けたのは一体なんだったのか、と。

 もちろん、結果がすべての世界だ。チャンスをつかめなかった選手の実力が物足りなかったかと言えば、そうなのかもしれない。

 ただ、なんとなくモヤモヤしていた。

 秋山をまた取材するのも楽しみだけど、若い選手が出てくるのも、おもしろいのに。

 秋山争奪戦が終わった今、外野陣を見て思う。これでよかったんじゃないかと。

ライオンズ外野陣の“明るい”未来

 首位に浮上した7月18日の日本ハム戦では、1番中堅手で川越誠司、2番右翼手で愛斗、8番左翼手で鈴木将平が先発し、3人とも打点を挙げた。

愛斗

 加えて、育成からはい上がってきた長谷川信哉や、長打力にロマンあふれる高木渉、打撃センス抜群の西川愛也、昨季ルーキーながら44試合で20盗塁を決めた若林楽人……。芽は間違いなく育ちつつあるし、32歳の金子侑司だって黙っていないだろう。

 外野守備をマネジメントする佐藤友亮コーチは、もちろん「中堅手が外野の中心」という考えを持ちつつ、「センターラインの固定」を絶対視はしていない。

 打球への反応、肩の強さ、周囲への声かけ、カバーリングへの意識、自軍投手と相手打者の力関係などを総合的に判断し、それぞれの外野手のポジション適性を見極め、試合ごとに配置している。

 愛斗の好守は何度もチームを救っているし、川越がバックホームで失点を防いだ試合もあった。

 レギュラーをつかもうとする選手たちが、それぞれの適正ポジションで必死に守り、防御率リーグ1位の投手陣に貢献している。これは紛れもない事実だ。今の外野陣は、少なくとも守備面では決してチームの「弱点」ではない。

 さあ、あとは打力を含めた総合力で誰がレギュラーをつかみ取るか。

 もう、過去を振り返る必要はなくなった。ライオンズ外野陣の明るい未来を語ろう。

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