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 次に、就活生がウケ狙いをしていなくても、自然に奇抜な言動をしてしまうことはあるでしょう。このタイプを「天然系」と呼ぶことにします。ある物流会社での出来事です。

面接官「最近、円安が進んでいますが、円安は当社の業績にマイナスに作用します。その理由を説明してもらえますか?」

男子学生「円安になるとドルベースの輸出価格が上がり、いや下がり……。あれ、輸出は関係ないですね。すみません。よくわかりません」

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 その後、しばらく面接が続き、所定の終了時間が近づきました。

面接官「では、最後に何か聞いておきたいことはありますか?」

男子学生「円安が御社の業績にマイナスに作用する理由を教えてください」

 面接官が理由を説明すると、疑問が晴れた男子学生は嬉しそうな表情で面接会場を後にしました。こうした「天然系」の就活生は、いつの時代もある程度います。ただ、数としては減っているようです。

「先日、ある女子学生が、ライバル会社の商品を当社の商品と勘違いして大絶賛していました。面接の最後に勘違いに気づいて『えへ、すみませんでした』とニッコリ笑って謝りました。こういう微笑ましい就活生にお目にかかることは、減りましたね」(食品)

「面接をして『こいつ面白いなぁ』と思う就活生は、だんだん減っていますね。就活本とかで面接のNG集が出回っている影響かと思います。良い意味でヤバい人材と出会うことが、人事の仕事の楽しさなんですがね」(エネルギー)

お祈りメールに「死ね」と返信する就活生たち

「ウケ狙い系」が激減、「天然系」がやや減少しているのに対し、最近どんどん増えて、人事担当者を悩ませているのが「逆恨み系」です。

 今回多くの人事担当者が、「お祈りメール」に関する悩みを打ち明けてくれました。ちなみに「お祈りメール」とは、就活生に不採用を通知するメールで、最後を「今後のご活躍をお祈り申し上げます」と締めくくるので、そう呼ばれています。

「お祈りメールに対し、何割か返信が来ます。たいてい『ありがとうございました』という当たり障りない内容ですが、たまに『不採用は納得できない』『不採用の理由を説明して欲しい』としつこく食い下がってくる学生がいます」(建設)

「返信の内容が年々過激になっています。『貴社の皆様に不幸が訪れることをお祈りします』とか、『死ね』と書かれたこともあります。不採用者にはメールを出さないように変更しようか検討中です」(機械)