ドコモの井伊基之社長は6月1日、大手代理店の1つ「ITX」社を傘下に持つノジマの野島廣司社長と会食の場を持ったという。
「この席では閉店の話題も出たものの、販売貢献に感謝する意味合いが強かったようです」(別の関係者)
野島社長本人を直撃すると、会食の事実は否定せず、次のように語った。
「仕事の話は僕、全然しないから。人間としての話とかですよ。『井伊さんはいい人』って書いといて(笑)」
iPhoneの横流しによる“転売”が横行
一方、ドコモからの圧力に苦しむ中小代理店において現在、問題となっているのが、運営するDS内におけるモラルの低下だ。
DS関係者は「iPhoneの横流しによる“転売”が横行している」と明かし、その仕組みを解説する。
「通常の新規契約は1名義につき3台までで、同じ日に3回線以上の契約はできません。さらに回線契約を伴う新規契約では2万円以上の値引きはNG。しかし、インターネットプロバイダーも同時に契約するプランを使うと、1名義につき5台まで新規契約でき、回線契約を結ばなければ無制限に値引きできる。この仕組みを悪用し、店が“転売ヤー”に複数の携帯を安値で販売。店舗内の協力者がキックバックを得ています」
横流しは最新のiPhone13でも行われ、中国などで高値で買われている。
「現在は円安のため、日本からの輸入品は割安になり、より儲けが出るからです。箱付きの方が高く売れるので、DS側も箱に契約者の名前を書くなど転売対策を行っている」(同前)
ドコモ広報に問うと、DSに対する150%の目標値や10カ月分の手切れ金は、「営業戦略に関わる内容のため」として回答を控えた。
iPhoneの横流しについては「DSスタッフによる横流しが問題化している事実はありません」とする一方、「真に必要としているお客様にお届けさせていただく観点で、いわゆる『転売ヤー』については問題だと考えております」と答えた。
代理店からの“哀フォン”は本社に届かない。