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調子に乗ったC男が同僚たちに画像をシェア
「見てみ。こんな画像あんねん」
今年3月13日夜、男性社員同士で飲んでいたC男は、調子に乗って口をすべらしてしまう。
スマホに保存していたAさんとDさんの裸の画像を同僚たちに見せると、「送ったるわ」と言ってLINEのグループにその画像を送信したのだ。そうなると、秘密裏に行われた盗撮は周囲の知るところになり、秘密でなくなる。たちまち画像は拡散され、鉄道会社のほかの社員も目にすることになった。そうして画像の流出から1カ月半ほど経った5月上旬、1人の社員から兵庫県警に情報が寄せられる。
「女性社員の裸の画像を持っている男性社員がいる。どうも盗撮されたものらしい」
警察官から隠し撮りを知らされた被害者の心中は
情報提供を受けて捜査を始めたのが、2人の容疑者が所属した部署を管轄する須磨警察署だった。気の毒なAさんとDさんは、警察官から連絡を受けるまで自分たちが隠し撮りされていたことを知らなかったという。
結局2人の容疑者は金沢の事件で逮捕された後、湯布院の事件についても大分県迷惑防止条例違反で送検された。さらにC男は、同僚たちにLINEで画像を送った行為についてリベンジポルノ防止法違反でも立件された。そして事件は公表された。
警察の発表から2日後の6月29日、神戸簡裁はC男に罰金70万円、B子に罰金40万円の略式命令を下し、事件は終結した。だが一度流出し拡散した画像は、たとえ仲間内で共有された限りであっても容易に消えない。被害者たちが負った傷も、数十万円の罰金刑で癒えるものではないだろう。