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「そこは私の席じゃないんだ…」灰原哀役・林原めぐみが『名探偵コナン』の現場で抱いた“嫉妬のような気持ち”とは

『林原めぐみのぜんぶキャラから教わった 今を生き抜く力』より#2

2022/07/22
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 本編同様、嫉妬のような、モヤモヤした気持ちがしばらく続きましたが、結局のところ、幸せだった工藤新一と毛利蘭を引き裂くことにもなった薬「アポトキシン4869」の開発者は自分なわけで、コナンくんに守られたり、助けられたりした中で生まれ出た感情は、世にいう恋愛感情ともほんの少しだけ違い、罪悪感や孤独感が入り混じる中、自分の状況を誰よりも理解している、ある意味運命共同体の唯一無二の人として、心の中では処理していっているように思います。

 最近ではすっかり“相棒”としてのポジションも定着し、「相棒と言いながら、ただただこき使っているだけじゃないの?」と言い返したくなるほど、江戸川コナン専用検索エンジンと化していますが、見えない場所で、明らかに彼にしか出来ない何かをやっている状況を支えられるのは、お互いの信頼の上に成り立っているわけで、話の途中で電話を切られようが、用件のみの連絡だろうが、時に腹も立てつつ、「サンキュー灰原」の一言で収まりがつく。

 いつも、どこかで死を考えていた哀ちゃんにとっては「誰かの役に立つ自分の存在」は、ある意味幸せな場所なのだと思い、大切なお役目に取り組んでいます。

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 この続きは、『林原めぐみのぜんぶキャラから教わった 今を生き抜く力』(KADOKAWA)に収録されています。※海外では翻訳版(英語・簡体字・繁体字)も発売中。

 

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