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【6回目の逮捕】《歌舞伎町精神科医》被害女性A子さんの“薬漬け洗脳”が解けた壮絶な理由「街中で下着血まみれ事件」「最愛の妹の死」「死を感じた激しすぎるDV」

【6回目の逮捕】《歌舞伎町精神科医》被害女性A子さんの“薬漬け洗脳”が解けた壮絶な理由「街中で下着血まみれ事件」「最愛の妹の死」「死を感じた激しすぎるDV」

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 この日、A子さんは香港出身の知人男性に用事があり電話をかけていた。伊沢容疑者に会話を知られないために中国語で喋っていたという。すると伊沢容疑者が「元カレと話しているんだろう!」などと激怒し、もみ合いに発展した。

壮絶なもみ合いに発展「縫ったばかりの左腕の傷をえぐられ…」

「縫ったばかりの左腕の傷をえぐられ、つねり器でつねられ、右フックを頬に受けて、足も蹴られました。携帯を取られそうになりましたが、伊沢先生に壊された前の携帯を新しくしたばかりだったので必死になって抵抗したんです。すると髪を引っ張られ、馬乗りになって首を締めてきました。『もうダメだ』と思って携帯から手を離すと、窓から投げ捨てられました」

 この時、お互いが大声を出していたようだ。近隣住民が警察に通報し、警察が駆け付けた。A子さんは血まみれになっていたのですぐに病院へと搬送された。退院後、A子さんは実家に帰った。

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暴行の翌日に病院で診察を受けだされた診断書

「この時の暴力は本当に酷くて、本気で殺されるかと思いました。それで、やっと目が覚めたんです。もういいやって。数日後、伊沢先生からの暴力について被害届を出しに行きました。相談したおまわりさんの中には、『医師免許を取り上げたい』と話す方もいました。本当に酷いことをされたんだなって、改めて理解したんです」

平穏な日々が戻ると思った矢先、さらなる悲劇が

 父親が話す。

「今度こそ娘を伊沢の家に帰すわけにはいきませんでした。しかし、伊沢は私や妻のもとに何度も連絡をしてきて、A子の居場所を聞き出そうとした。A子は実家にいましたが、教えるわけありませんよ。『私たちも知らない』と誤魔化していました。

 すると、3月7日に私の勤務する会社へ、伊沢が電話をかけてきたんです。私が覚醒剤をやっているからすぐクビにしてください、というようなことを話したそうです。会社には我が家の状況は説明していたので、ありがたいことに問題にはなりませんでした」

 そしてまさにこの日、A子さんの被害届を受理して捜査を開始していた警視庁が伊沢容疑者の自宅を家宅捜索して覚醒剤を発見、現行犯逮捕したのだ。

 これでやっと平穏な日々が戻ると思った矢先、さらなる悲劇が起きる。20歳になったばかりだったA子さんの妹が自殺したのだ。父親が肩を落とした。

亡くなった妹は姉であるA子さんを心配していた

「その日、妹は外出していたのですが、メールの様子がおかしかったからみんなで探しに行ったんです。見つけたときにはすでに妹は亡くなっていました。遺書はなく、バイバイというメッセージが母親にきただけ。それまでずっと、姉であるA子のことを本当に心配していました。家族には『(A子と伊沢容疑者を)放っておけばいい』と言っていたが、家族には内緒で伊沢とも直接やりとりしていたようです」

 昔から繊細な子でしたから、伊沢のことだけが原因ではないと思います。ただA子は『自分のせいで妹が』と思っている。今回、私たちが取材にお応えすることにしたのも、妹の自殺がきっかけになっています」

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