一方、竹澤容疑者が病院に応募した際の履歴書によれば、医師としての研修を受けた後、「東京大学眼科」「東京医科大学形成外科」といった病院を渡り歩き、“真っ当”なキャリアを歩んできたようにも見える。しかし、竹澤容疑者がその本性をあらわすまでにはさほど時間はかからなかったという。
「竹澤さんはすぐに病院の代表理事に気に入られて常勤となり、どんどん出世していきました。竹澤さんは『今までのやり方じゃダメだ!』と声高に経営改革を主張していて、『じゃあ、任せてみようか』と、純粋だった代表理事がコロっと騙されてしまった。最終的には医師全体をマネジメントする『統括医師』という役職を自ら名乗り出したのです」(A氏。以下同)
ここからが悪夢の恐怖政治の始まりだった。
「竹澤さんは眼科に勤めていた経験があるため、二重や眼瞼下垂といった目の回りが得意とされていましたが、手術は雑。ただ技術そのものよりも、患者へのため口はもちろん、言葉遣いが荒過ぎて『上から目線すぎる』というクレームが頻繁に来ていました。
そんな彼が権力を握ってしまった。地方の分院を回っては、現地の女性スタッフを飲みに連れ回しては、襲おうとしていました。それで、断られれば、嫌がらせをしてクビを切る。注意できる立場なのは代表理事だけでしたが、何も言わないので、我々は竹澤さんのやりたい放題をじっと我慢するしかありませんでした」
2次会のカラオケで「脱げ」と悪ノリ
竹澤容疑者の被害者は女性だけではなかったようだ。竹澤容疑者は職場でもバイセクシャルを公言していたといい、ハラスメントの手はA氏にも及んでいたという。
「私が男性であることもあり、『竹澤さんからセクハラを受けた』といっても信じてもらえないでしょうし、誰にも相談できませんでした。竹澤さんが病院に来て、まだ1カ月しか経っていない2018年8月、京都の分院の女性スタッフたちと飲み会を開き、2次会でカラオケに行くことになりました。部屋に入るや否や、竹澤さんは自ら上半身裸になり、私にも『脱げ!』と悪ノリを始めたのです」