今にわかに注目を集めている女芸人がいる。CRAZY COCOさん――元エミレーツ航空CAという異色のキャリアの持ち主で、35歳で脱サラして芸人の道へ。
2021年、リアルなCAあるあるネタを武器に『女芸人No.1決定戦 THE W』に初挑戦し、準決勝進出という快挙を成し遂げた。ショート動画でも度々バズり、Instagramのフォロワーは12万人を超える。
華やかなキャリアを捨て、彼女はなぜ「お笑いの道」を目指したのか。(全3回の1回目/#2、#3を読む)
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元CAがなぜ35歳で芸人に?
――芸人を目指した経緯について教えてください。
CRAZY COCOさん(以下、COCO) 去年(2021年)コロナで入院したときに、「このまま本当にやりたいことをやらずに、死んでいくのは嫌だな」って思って。
元々友人の結婚式の余興や、学生のときの文化祭で、自分の体や言葉で表現して、人をエンターテインするのに快感を覚えてきた人間だったんです。それで、自分の経験が誰かのきっかけになれるような生き方をしたいんじゃないかって思って。掘り下げて考えたときに「お笑い芸人、お笑いタレント、エンターテイナー。この3つで生きていきたい!」って思いが、降ってきちゃったんですよ。
――いつ頃ですか?
COCO 去年の7月です。その時に、今まで自分の中でバラバラだった点が、線になった、というか。文化祭でよくステージに立っていたり、子供のころからダンスを習っていたりといった点が、コロナで入院したときに「これは芸人になるための点だったんだな」って。
35歳という遅いスタートではあるけれど、自分のしかるべきタイミングは今なんだな、と。
――病床で思ったんですか?
COCO そうですね。点滴、酸素濃度計etcのいろいろな線に繋がれながら「あー……、やっぱ芸人だな」みたいな(笑)。発信することで人をハッピーにしたいんだ、って。
――そこから『THE W』に挑戦するまで、すごく早かったんですよね?
COCO 早かったですね。その時点では、お笑いタレントにどうやったらなれるのか、なり方がわかんないじゃないですか。大阪出身なんで、最初は吉本さんとか松竹さんとかの養成所に通うのが一番いいんかなと思ったんですけど「下積み10年とかやってる年齢じゃない!」と思って。
「お笑いタレント、芸人、なり方」で検索したら、たまたまTHE Wのエントリー期間だったんです。「これはTHE Wやれってことやな」と思って、すぐエントリーしようと思ったんですけど、同時に動画も送らないといけなくて「今病院やし、あかん」って(笑)。8月に退院したんですけど、お盆で大阪に帰るタイミングだったんで、家で撮影して動画送った感じですね。