外資系CAなどを経て、35歳で吉本芸人に転身したCRAZY COCOさん。舞台にこだわらず、SNSを中心に活動を続ける新しいスタイルで、着実にファンを増やしている。
「テレビで活躍したい」「スピード感をもってやりたい」と意気込むその裏には、余命宣告を受けた病床の母を笑いで元気づけたいという、切なる思いがあった。(全3回の3回目/#1、#2を読む)
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収入はCA時代の4分の1に…
――今はCA時代と比べると、収入的には下がってしまったんじゃないですか?
CRAZY COCOさん(以下、COCO) そうなんですよ。CA時代は、日本だったら月60万円ぐらいもらえてたのが、今はバイト代の15万円ぐらい。
でも、当時に比べて贅沢しなくなったんで。コロナになった時に「死んだとき持って行かれへんようなものに、お金使うのやめよう」って思って。
――芸人の活動としては、舞台には出ないでSNS中心でやっているんですよね?
COCO 「舞台に出ない」と決めているわけではないんです。変な話、舞台しか成功する方法がないんやったら、舞台をやってると思います。
でも、今はSNSのほうが早いし、私は劇場芸人というより、お笑いタレントになりたい。スピード感持っていきたいんで「今やったらSNSやな」って思って。
やっぱり、ある程度収入の基盤がないと、精神的にもゆとりがないじゃないですか。バイトもしつつ、人を元気にできるコンテンツが発信できる。しかも、劇場は20人しか見に来られへんけど、SNSは10万人見てくれるんやったら、私は後者のほうが自分には合ってるっていう感じですね。向き不向きがあると思っているんで。
――今、SNSのフォロワーはどれぐらいなんですか?
COCO Instagramは12万人ですね。今年の2月までは1万人もいなかったんです。
――すごいですね! 転機は何だったんですか?
COCO 3月にスタートした「東京CAと大阪CAの違い」っていう動画が、再生回数250万回を超えたんです。そこで、女優の田丸麻紀さんや、お笑い芸人の丸山礼さんがフォローしてくださったり、みんなが拡散してくれて伸びた感じはありますね。
――SNSでウケるために心がけてることは何ですか?
COCO CAネタでやるってことですかね。でも、アンチコメントもあります。先日も「あなたのこと好きだから言います。渡辺直美ちゃんや横澤夏子ちゃんは、ちゃんと人を笑かしてます。あなたは過去の栄光にすがりすぎ。フォローやめようかな」みたいなコメントがあって。「どうぞ!?」と思って。
――(笑)。
COCO ただ、CAネタも賞味期限があると思ってるんで、来年からは考えなきゃいけないなと思ってます。ずっと通用するとは思っていなくて。
今はテレビをメインで頑張りたいんですよ。うちは、母1人、子1人なんですが、母が体調悪くて入院していて。テレビやSNSのほうが、娘の頑張りを見られるじゃないですか。