――なるほど。
COCO エミレーツを受けた時も一度落ちたんですが、そのタイミングで母は胃がんになってたんですよ。だから、受かっていてもドバイには行けなかったんです。
半年後、母は胃がんの手術が終わって退院したタイミングで、私もエミレーツに受かったんです。本当に運命のままにそうなってるんやろなって。
COCOが語った「母の人柄」
――お母様はどんな方ですか?
COCO 母は、40年間、北新地という、東京でいう銀座みたいなところでラウンジのママをしてたんですね。
「なんでこんな普通のおばさんが、40年も競争の激しい新地でやってんねやろ」ってむっちゃ不思議だったんですけど。新地のママって、むっちゃ綺麗な人多いんですよ。
「なんでそんなお客さんに愛されてんの?」って考えたら、母はすごい真心があるんです。顔じゃないんやな、って。私の友達もうちのお母さんに会いたいっていう子、むちゃくちゃいて。
「なんでそんなに思ってくれんの」って聞いたら「いつも笑ってるし、おばちゃんに会ったら、パワーもらえる」って。人の悪口は言うんですけどね。「けったいやわー、きらいや、アイツ」とか(笑)。
――(笑)。
COCO でも常に人のことを考えている、気遣いの鬼なんです。ALSの父の面倒を見ながら、自分が大黒柱として働かなあかん、娘の世話もせなあかんっていう、1人何役もやってた人なんで、根性とバイタリティがエグいんですよね。
――ALSの介護は、相当大変だったんじゃないかと……。
COCO もちろん介護認定を受けてたんで、毎日ヘルパーさんが来てくださってたんですけど、ヘルパーさんが帰られた後、夜はタンの吸引とか、下の世話とか。父が178センチぐらいあって、ALSで痩せ細って、50キロぐらいしかなかったんですけど、お母さんがベッドから抱えて、ポータブルトイレまで運んだり。すごいなって思います。