――子供の頃は、COCOさんも我慢することが多かったんじゃないですか?
COCO そうですね。母は愛情をむっちゃ注いでくれてましたけど、やっぱ父の次、というふうに私には映っていたんで。だから父が亡くなってから、やっと2人の時間ができたなって感じはありましたね。
エミレーツに入ったのも、社員割引で飛行機が9割引きで乗れるチケットが家族も使えるんで、「家族旅行に一緒に行ける」と考えた上での判断ではありましたね。
――子供の頃からお母さんを笑わせたい、という思いがあったんですか?
COCO そうですね。小学校とか幼稚園のときとかは、いつもお父さん優先で、仕事で夜中はおれへんくて。「でも私、全然お母さんのこと好きやで!」と伝えたくて。だから、母は「アンタはずっとちょけてた」って言ってました。「アンタがスーパーで、ダダこねて泣きわめいたりとか、1回もない」って。めっちゃ空気読める子だったらしいです。
――お母さんには「奇跡」と言ってしまうと軽々しいですが……。
COCO でも、お医者さんも言ってたのが、担当してた患者さんで奇跡が起きた人いるんですよ。「どんな方だったんですか」って聞いたら、落語が好きで、病室でずっと落語を聞いていたそうで。「今は元気に退院されて外来で通ってますよ」と。なんで、統計は統計で、おかんはおかんやし、と思っています。
「うまくいかんかったら、そういう運命やったんやろな」
――応援したいです。芸能界で生きる上で、不安はありますか?
COCO 全然ないですね。自分軸で生きてるんで、うまくいかんかったら、そういう運命やったんやろな、で受け止めようと思ってます。
――最終的にはどんな芸人を目指しますか?
COCO もうすぐ終わっちゃうんですけど、アメリカに『エレンの部屋』(原題・The Ellen DeGeneres Show)っていう番組があって、アメリカ版『徹子の部屋』みたいな、コメディアンの女性がゲストを呼んで、深掘りしてトークする番組なんです。せっかく英語もできて、エミレーツのおかげで世界中に友達がたくさんいるんやったら、最終目標としては、そういう世界に向けたトーク番組のMCをやってみたいなという思いはあります。
写真=石川啓次/文藝春秋
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