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寿司のヘアバンドは「日本食への愛」か

 4月21日の2号ツーランの際には、赤地に寿司のイラストのものを着用していた。

 赤は情熱や勇気、興奮などの意味があり、食や元気、行動力を連想させる。

 別の日ではあるがホームラン後のインタビューで「岡本選手のパワーに憧れ、真似してたくさんご飯を食べた」と話していることも考え合わせると、この日の寿司のイラストは、日本食に対する愛と、食をエネルギーとして憧れのチームメイトに一歩でも近づきたいという情熱の表れなのではなかろうか。

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 そして5月6日、6号ソロを放った日、彼が身に着けていたのは、青い空、緑の草原に立つユニコーンのイラストが描かれているものであった。

 ユニコーンといえば力強く、勇敢。相手がだれであろうとも恐れずに向かっていく伝説の生き物である。また馬や鹿にも勝る俊足であり、鋭く尖った1本の角は、どんなものでも突き通すことができたという。

 どんな時も臆することなく全力で向かっていく姿、見事な走塁、強靭な角でどんな球でも長打にしてしまうバッティング。ウォーカーそのものではないか。

 この他、8号3ランの日には、黒地にヒョウの顔のイラスト、9号ソロの日はカーキなどの低彩色のコンビネーション、6月に入ってからはグレー基調の迷彩柄や、黒地にキャラクター、初夏を思わせる白地に鮮やかなイラストのヘアバンドも見かけるようになった。

 入団以来、守備に課題があると言われてきたウォーカーだったが、ここ最近ファインプレーをよく目にするようになった。ますます活躍の場を広げているのだ。

 スーパーファインプレーが起きたその日、彼が身に着けていたのは、黒地に蜘蛛の巣が描かれたヘアバンドだった。

 彼のチョイスは心理と行動に作用したのだろう。

 どんな打球がどこから飛んでこようとも、蜘蛛の巣のように張った守備で逃さない。ウォーカーの手にかかれば一網打尽なのだ。

これからのジャイアンツの進化はウォーカーなしには語れない

 このようにウォーカーは、身に着けるものや髪型によって自らを奮い立たせ、存在感を示しているのだ。

 チームを巻き込むハートマークのパフォーマンス。報道陣やファンに自らのリストバンドをプレゼントする優しさ。幸せ配達人とも言われるウォーカーは、チームにも大きな幸せを、大きな波を呼び込むに違いない。

 ドレッドヘアのウォーカー、名前を登録名とした大勢。今はまだイレギュラーに感じることもあるが、これもスローガン「不屈~GIANTS EVOLUTION~」、つまり“進化”のひとつの形なのだろうか。

 ジャイアンツの選手はあいかわらず、こざっぱりとしている。

「時代にあった紳士」への進化はまだ始まったばかりだ。

 これからのジャイアンツの進化はアダム・ウォーカーなしでは語ることができないだろう。

 今シーズン、私は彼のヘアバンドから目が離せない。

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