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アダム・ウォーカーの髪型とヘアバンドがもたらす今季のジャイアンツへの影響

文春野球コラム フレッシュオールスター2022

2022/07/23

※こちらは公募企画「文春野球フレッシュオールスター2022」に届いた原稿のなかから出場権を獲得したコラムです。おもしろいと思ったら文末のHITボタンを押してください。

【出場者プロフィール】もんぷち(もんぷち) 読売巨人軍 NM歳。東京生まれ。猫と野球を愛する主婦。偏愛選手名鑑の執筆をきっかけにジャイアンツが頭から離れなくなった2022年。時代とともに変わりゆくチームを見守りたいと東京ドームに通うように。球団公式のオオシーサーグッズがお気に入り。

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 ウォーカーの髪型が気になって仕方がない。

 アダム・ウォーカーといえばジャイアンツに今季新加入の助っ人外国人である。

 長いドレッドヘアに日々変わるカラフルなヘアバンド、ホームランのあとのハートマークをつくるパフォーマンス。目にしたことがある人は多いのではなかろうか。

「常に紳士たれ」をモットーとし、鉄の掟とも言われるルールを掲げている巨人軍。選手達は皆、短髪、黒髪、髭なしのこざっぱりしたイメージしかなかった私には大きな衝撃だったのである。

アダム・ウォーカー

ヘアバンドにも意味が隠されているに違いない

 そんなチーム状況の中で、なぜウォーカーはひとり、長髪、ドレッドヘアなのだろうか?

 文化的な背景があるのか、信条なのか? あの巨人軍が認めたということは特別な事情があるのだろうか。

 調べてみると彼はインタビューでこう答えていた。

「過去には短くしたり、いろいろな髪型をしていたことがあるのだが、この髪型にしてから2回MVPをとっているので、この髪型を3年維持している」と。

 ウォーカーはゲンを担いでいたのだ。

 日替わりのカラフルなヘアバンドも気になって仕方がない。どのくらいの数のヘアバンドを持っているのか調べてみると、来日時に持参したものと、買い足したものを合わせて20種類近くに及び、さらにアメリカの実家には20種類くらいあるそうだ。

 髪型でゲン担ぎをしている彼のことだ。ヘアバンドにも意味が隠されているに違いない。

 心理学によると好きな色や直感的に選んだ色や物は、その人の心理や性格を表していることが多いそうだ。また、選んだものに影響を受けた心理が行動につながるため、試合前のこの選択はその日のパフォーマンスに大きな影響を及ぼすと考えられるのである。

 いわゆるゲン担ぎも同様の心理と行動への影響があると考えられる。

来日初ホームランを放った日は、鮮やかなピンクだった

 私が初めてウォーカーを見た3月のオープン戦では、橙色の無地のヘアバンドをしていた。

 橙は、太陽、火などを連想させ、温かさや陽気さ、親しみやすさを感じさせる。また橙はチームカラーであることから、来日したばかりの彼は早くチームに溶け込み、貢献したいという熱い想いがこのヘアバンドをチョイスさせたのであろう。ウォーカーは真面目で実直、温かく陽気な男なのである。

 4月17日、来日初ホームランを放った日は、鮮やかなピンクだった。

 ピンクは、可愛らしさや美しさ、華やかさなど、愛や安らぎなどを連想させる。ホームランを打った時の可愛らしくもあり、愛をも感じられるハートマークのパフォーマンス、美しい打球の軌跡。ウォーカーを表す色と言っても過言ではない。

 このヘアバンドはピンクリボンを意識しており、老若男女問わず病気や助けを必要としている全ての人への応援のメッセージであるとインタビューで答えていた。

 数えてみると16本塁打中の6本塁打(1号、3号、4号、7号、12号、13号)、実に37.5%の割合でこのピンクのヘアバンドを身に着けていた。20種類のヘアバンドでローテを組んだと仮定すると、この確率は過大であるといってもよいだろう。

 やはりピンクのヘアバンドは、ウォーカーに無意識にハートのパフォーマンス、つまり本塁打を連想させ、行動として表れた事象であることが裏付けられる。

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