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ミスターですら原監督ほどの権限はなかった

 責任が原監督の独断専行にあることは明らかだ。あるNPBの元球団社長は原監督が全権監督であることに原因を求め、その弊害を指摘する。

「監督がチーム編成の権限まで握ってしまうと、中田もそうですが、外国人の獲得が不成功に終わっても、フロントは責任を感じない。フロント主導なら現場は希望通りの選手かどうかなど厳しくフロントの仕事を評価します。フロントと現場は、常に緊張感を保っていることが望ましいと思います」

原辰徳監督 ©️文藝春秋

 例えば日本ハムは球団がコーチ人事からトレード、外国人選手獲得、ドラフトまで一切を取り仕切り、監督にはこれらの事後報告だけというほどフロント主導が極端だ。楽天の石井監督はGMを兼務し、こちらも全権監督に見えるが「三木谷オーナーの介入がある限り、全権とは名ばかり」と言う。

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「程度の差はあっても多くの球団がフロントと現場で分業しながら運営しています。原監督への権限集中は異様に映る。ミスター(長嶋監督)でさえ、ここまでの権限はなかったのではないでしょうか。フロントと現場が互いの持ち場を守る関係に正常化することが巨人の立て直しへの第一歩です」(同前)