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がんの「怪しい民間療法」を見抜く三つの方法

週刊文春「徹底検証 著名人がすがった『がん民間療法』」取材の裏側(後篇)

2017/12/28

<怪しい>その(2)
医師や医学博士が推奨している

 民間療法や健康食品の宣伝を見ると、医師や医学博士が推奨しているとか、学会や大学で研究・発表されたと書かれていることがよくあります。しかし、これらも鵜呑みにしてはいけません。

 医師の中にも、民間療法や健康食品で「がんが治る」と主張している人や、がんの三大療法(手術、抗がん剤、放射線)などよりも「やさしい治療だ」と推奨する人がいるのは確かです。しかし、「医師が言っているから正しい」というのは思い込みに過ぎません。たとえ有名大学の教授であろうと、科学的根拠に基づく発言をしていない限り、安易に信じてはいけないのです。

 それに医学博士といっても、世界にはお金を積めば学位を出してくれる大学もあります。これを「ディプロマ・ミル(学位商法)」と言います。民間療法や健康食品では、このディプロマ・ミルの医学博士たちが、効果にお墨付きを与えるために推奨したり、本の監修をしたりしていることがよくあります。

民間療法や健康食品が医学博士のお墨付きでも、それはお金で買った学位かもしれない ©iStock.com

「学会」や「研究会」という名前に騙されないで

 学会や研究会なども同様です。国に許可を得て設立するものではありませんから、学会や研究会と名がつく集まりは、いくらでもつくることができます。民間療法や健康食品について発表させてもらえる学会だって、世の中にはいくつもあります。

 大学だってそうです。さまざまな大学が多種多様な研究をしていますが、それだけで効果にお墨付きが与えられるわけではありません。科学的に効果を検証して、それを学会や論文で公表し、多くの専門家がそれを肯定的に評価して、初めて「効果が認められた」と言えることになるのです。

 このようなプロセスを経ていないのに、「肩書」や「名前」だけでお墨付きが与えられたかのように強調しているところほど、注意したほうがいいと言えるでしょう。民間療法や健康食品だけでなく通常の医療でもそうですが、その治療が本当に有効かどうかは肩書や名前で信じるのではなく、科学的なデータを見て判断することが大切なのです。

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