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容疑者が雄大くんを手元に置こうとした理由は…?

 なぜ、綾乃容疑者は雄大くんを手元に置くことにこだわったのか。

 取材班は横浜市内にある綾乃容疑者が生まれ育ったかつての実家を訪ねた。その時の近隣住人の疑惑の声が冒頭の証言だ。

綾乃容疑者の実家跡。現在は別の建物が建っている ©文藝春秋

 第一子の出産後、何度も救急車を呼ぶという行為は、周囲の視線を集めようとする代理ミュンヒハウゼン症候群の症状と一致する。さらに学生時代から上田容疑者を知る別の高齢女性は次のように語った。

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「会えば挨拶をしてくれる落ち着いた雰囲気の子でしたよ。彼女は3人兄弟で弟が2人います。末っ子の男の子とは10歳くらい年が離れていたと思います。綾乃ちゃんは市内の商業高校に進学していましたが、お父さんが勤め先で倒れて急死したんです。その後にお母さんはガンを患い、高校は中退して、自宅で介護しながら綾乃ちゃんがお母さん代わりとなって幼い弟さんのお世話もしていました。

 お父さんの病死から2年後にお母さんを亡くし、若くして両親を失った。兄弟で暮らし始めて自宅の庭で花火をしていた時に、木に引火してボヤ騒ぎなどを起こしたこともありましたね。生活はとても大変そうでした」

※画像はイメージです。©iStock.com

 その後、上田容疑者は人生の伴侶を見つけ、結婚を機に実家での新生活をスタートさせた。

「やせ形で若い、おとなしい旦那さんでした。綾乃ちゃんが妊婦のときに『体を冷やさないようにね』って話したら、『そうですね。ありがとうございます』って、その時は幸せそうに見えました。

 近所付き合いはあまりなく、ほとんど出歩くことのないご夫婦でしたが、旦那さんが生まれたばかりの長男を抱っこしている姿を一度見掛けて。端整な顔ですごくかわいい子でした」(同前)

 だが、幸せな生活も長くは続かなかった。前述のように、結婚して授かった長男を02年に、長女を03年に立て続けに亡くしたのだ。