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佐々木 ほかにも、青ヶ島の特産品である「ひんぎゃの塩」の精製所や、建築関連、民宿でもよく求人募集がかかっていますね。

 それに青ヶ島は、Uターンで戻ってくる人たちが「島外での経験を活かして青ヶ島を盛り上げたい」と思っているから、実はビジネス的にも活気にあふれているんですよ。島全体でそういう人たちを応援する雰囲気もあるので、新しいことにもチャレンジしやすいと思います。実際に、私が島中をまわってYouTubeの更新をしている姿にも、「頑張れ!」って声をかけてくれる人ばかりですね。

加絵さんが運営するYouTubeチャンネル「青ヶ島ちゃんねる」

島民同士の結婚事情は?

――チャレンジを応援してくれる文化があるんですね。

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佐々木 私の飲み友だちは近所のおじさんが多いのですが、みんなで一緒に飲むと仕事の話やこれからしたいことを熱心に聞いてくれて、激励してくれる。何かチャレンジしたいことがある人には、すごくいい環境なんじゃないかと思います。

――子どもがいる家庭でも移住しやすい?

佐々木 島全体で子どもを大事にする空気があるので、移住しやすいと思いますよ! 生徒数が少ない分、学校の先生との距離も近いですし。保育園もあるので、未就学児のお子さんも預けられます。

 ただ、最近は青ヶ島で産まれる子どもがどんどん減っているんですよね。いま小学校や保育園にいるのは、ほとんどが教員や役場の職員など、任期付きで島に来ている方の子どもたちなんです。島民同士で結婚することがないから、島出身の子どもが産まれないんですよ。

青ヶ島では極端な人口の少なさが課題になっている

――なぜ島民同士で結婚しないのですか?

佐々木 人口が少なすぎるんです。年の近い人が数人しかいないので、そこから結婚相手を選ぶのはなかなか無理がある。だから現状、島内に出会いがないんです。特に女性の場合は、島外の人と結婚したら島には戻ってこないし、島に転勤で来ている男性と結婚しても、任期が終わったら一緒に本土に行く人が多くて。

 男性の場合はリゾートバイトで来ている子と結婚して、そのまま島で生活する人もいますけどね。

加絵さんは2019年にUターンで青ヶ島に戻ってきた

――島民がUターンしてくる割合は。

佐々木 ちゃんと統計をとったことはないけど、私の周りだと3割くらいの人がUターンしているかな。でも、そのほとんどが男性ですね。女性で戻ってくるのは、私も含めて独身ばかり。 

 この状況が続くと、島出身の子どもたちは減っていく一方です。そうすると島の人口にも影響が出るので、課題に感じている人は多いと思います。

――ほかにも、島内で課題に感じていることはありますか?