判決によると、死につながる虐待が始まったのは2017年の夏以降。親族から当時3~4歳の心ちゃんが食べ過ぎではないかと言われたことがきっかけだったという。心ちゃんは元々「大人用の茶碗に2杯分のご飯とおかずを食べる」くらい食欲が旺盛だったが、心配になった母親の真純被告が茶碗を大人用から子供用に変えるなど食事量を徐々に減らしていったという。
食事の量を半分にし、“トイトレ”で暴行・放置
裁判担当記者が解説する。
「心ちゃんは与えれば与えるだけ食べる子供で、親族が食べさせ過ぎだと注意しました。両被告の間にはすでに長男がいましたが、タイプが違っていたからか、参考にはならなかったようです。2017年夏以降、心ちゃんに子供用茶碗1杯分とそのうえにおかずを乗せた食事を与えはじめました」
急に食事量を減らされ、お腹がすいていたことだろう。しかし、次第に減らされた食事でさえ、心ちゃんは食べられなくなっていく。大きな原因となったのは“トイレトレーニング”だ。
真純被告が第3子を妊娠している頃、心ちゃんが昼間にお漏らしをしてしまうことが増えていた。真純被告は心ちゃんの下半身に服を着させないようになり、お漏らしをすると体を叩くなどの暴行を加えたり、股間をすぐにはふかずに放置したりした。前出の2016年7月に心ちゃんが雨の中、外に出されていた頃から同様の行為がされていたと推測される。
心ちゃんの旺盛な食欲が激減したワケ
夫の悠樹被告も、お漏らしをした心ちゃんをあざが残るほど激しく叩くようになっていった。
両親から食べすぎるなと言われたからか、虐待による痛みで食欲がなくなっていたからか。もしくはそのどちらもか。心ちゃんの食欲はどんどん落ちていった。
判決によると、11月頃には子供用の茶碗1杯分も食べるかどうかになり、12月に入るとその半分も食べなくなった。亡くなる2週間前の12月7日ごろには、ゼリーやプリン以外の食事はスプーン1、2杯程度しか食べられなくなっていた。この頃には重度の低栄養状態にまで至っている。