今年の新聞を振り返ってみる。

 2017年の新聞界では、これから先に何年も語り継がれるであろう「スクープ」が出た。それが、

「前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中、平日夜」(5月22日)

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 である。

2017年5月22日 読売新聞朝刊より

「コボちゃん」の横にある不思議な記事

 パッと見たとき、辞めた人の過去のことをなんで大々的に書くのだろう? しかも「コボちゃん」の隣りという社会面のとても目立つ場所で? と思った不思議な記事だった。

 実はこの記事が出た4日後、私は「安倍首相の言う通りに読売新聞を『熟読』してみてわかったこと」を文春オンラインの当コラムで書いている。

 安倍首相の「読売新聞を熟読して頂いて」という言葉が話題となっていた時期だったので、

《しばらく読売新聞を「熟読」してみることにした。なにか大事なことが書かれているだろうか?》

 と、生活面から競馬予想記事まで読んで何か得することがないか探してみたわけである。

 すると、原稿締め切り直前になって上記の「出会い系バー」記事が。

前川喜平前文部科学次官 ©文藝春秋

《さて今週月曜、朝刊の社会面に大きく載ったスキャンダル記事は目を引いた。

「前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中、平日夜」(5月22日)

 これは不思議な記事だった。なぜ、今このタイミングで? 「読売」が書くことに何か意味がある?

 すると翌日の「東スポ」は、「文科省前次官 出会い系醜聞の怪」と題し、「加計学園」絡みで情報合戦が繰り広げられていると報じた。あの「総理のご意向」メモが発端という説だ。なるほど、「読売」を熟読してみたら匂ってきたのである……。》

 読売を熟読してたら最後の最後に不思議な記事に間に合ったわけである。