双方の親に発覚したときには中絶はもうできなかった
――中絶手術ができる期間は妊娠22週未満と、タイムリミットもありますよね。
横井 そうです。だから彼には早くお互いの両親に伝えてと言っていました。でもずるずると時間が過ぎてしまって、結局伝えたのは、中学を卒業した後くらいだったと思います。
――そのタイミングで伝えたのはなぜでしょうか。
横井 もういよいよ伝えないとダメだと思って。自分で心拍や胎動を確認していましたが、病院にかからなければいけないし、きちんと話し合わなければいけないと思いました。
その日はちょうど、私の家族と彼の家族で集まる日だったんです。彼とお付き合いを始めてから家族ぐるみで仲良くしていたので、その日もみんなで食事をしようって話していて。
彼には、「今日しかないよ。絶対伝えてね」って言っていました。でも彼だけがまだ来ていない時に、お互いの母親が、「もしかして妊娠していないよね?」って。「実は……」って話したらみんな顔色が変わって、翌日すぐに病院に行きました。母はすごく驚いていましたね。まさか本当に妊娠していたとはって。
私の中では、その時点でぎりぎり妊娠5ヶ月未満くらいだろうと思っていました。お腹もそんなに大きくなっていなかったし、今妊娠何ヶ月かっていう数え方がわからなくて。でも先生から「妊娠8ヶ月です。今すぐ出産の準備をしましょう」と言われて。中絶するという選択肢はなくなったので、出産に向けてどうしていくか考え始めました。
――お腹やつわりの症状からお母さんが妊娠に気づくことはなかったのでしょうか。
横井 うちはシングルマザーで、母は基本的には仕事に行っていたこともあり、つわりはわからなかったと思います。お腹もあんまり出なくて、妊娠しているようには見えなくて。一緒にお風呂に入ることもあったんですが、もともと幼児体型でお腹が出ていたので、気づいていませんでした。そもそも母もまさか妊娠しているなんて思っていなかったので。