文春オンライン

2022/08/19

「“負け”を見せてくれるところに、すごく救われました」

 翌年の日本シリーズも西武ライオンズとの対戦で、再び3勝3敗で第7戦へ。

「その日は、家に帰ると間に合わないので、学校帰りに商店街の電器屋のテレビで見ていました。ヤクルトが日本一になった瞬間、最後に投げていた高津臣吾投手(現ヤクルト監督)がキャッチャーの古田敦也選手と抱き合うシーンは鮮明に記憶に残っています」

 昨年、ヤクルトは20年ぶりに日本一となったが、尾崎さんは30年間ヤクルト愛を貫いている。

「野村克也監督の黄金時代もそれはそれで嬉しかったけれど、チームが弱っている時にこそ、より愛着が湧いてきたんです。自分自身うまくいかないことはたくさんあるし、特に中学生ぐらいからは自分を周りと比べて落ち込むことも増えて、この先どんな大人になっていくんだろうという不安が大きくて。

 そんな中、プロ野球はシーズンを通して、何十試合負けようとも、最後には優勝するチームがある。プロの選手でも負けるんです。その“負け”を見せてくれるところに、自分を重ねてすごく救われました」

1993年、高津臣吾と古田敦也が抱き合う優勝シーンを語る尾崎世界観さん ©Nobuyuki Seki

 小学生当時、同級生には巨人ファンが多く馬鹿にされることもあったが、そんなところにも自分を重ねた。

「広島東洋カープのホーム、マツダスタジアムが真っ赤に染まるのが羨ましいです。日本シリーズでさえ、神宮球場には相手のファンが半分いて、一色に染まることはめったにない。悔しいけれど、完全なホームにならないのもヤクルトらしいところです。そんなヤクルトファンも含めて応援したくなるんですよね。

 どこか控え目で独特な雰囲気があって、負けているのに笑ってご飯を食べていたり。そういうファンの人たちを見ているだけでも癒されるし面白い。昔はよく、試合だけでなく、外野席のファンを観察していました」

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〒102-8008
東京都千代田区紀尾井町3−23 文藝春秋「週刊文春WOMAN」編集部
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