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今季勝ってない青学はどうなる?

マニア 今回は青学や東洋が強くて、日体大は中堅みたいなイメージがあると思うんですけど、あの走りを見たら日体大が上位に来てもおかしくないと。まあ、やっぱり青学は注目されていますけど。

2017年の青山学院。2区の一色からタスキを受けた3区秋山 ©文藝春秋

西本 戦力もタイムもトップクラスでまとまってはいるけど、ただ勝てるかどうかは分からない。原晋監督といえば、選手の調子を見極める絶妙なピーキングが特徴だったんですが、今季は出雲、全日本と1区での見極めがうまくいっていないようですから。

マニア 今季は勝ってないですからね。

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西本 原監督が三大駅伝の期間中に「陸王」に出たり、福岡国際マラソンの解説をしたりして、出過ぎじゃないかというバッシングの雰囲気もありますが、今、日本で一番知られている駅伝の監督は原さんなんですよ。関係者からしたら出過ぎと思うかもしれないけど、一般の人にとってはこれぐらい出ないと駅伝や陸上って話題にならないんですよね。「当然勝つよね」というプレッシャーは、原さんが一番感じてると思う。波風を受けながら、どう勝つのか。

青山学院・原監督 ©文藝春秋

ポール まあ全日本ではもう少しやれるんじゃないかというのはあったと思うんですけど。でも、プレッシャーのなか、あれができるのは原さんの自信の裏付けだと僕も思います。

マニア ただ全日本では戦前、東海・青学の2強の構図とさんざん言われたなかで、その2チームが遅れて、駒澤だ、早稲田だ、東洋だ、神大だ、と入れ替わり立ち替わりレースが動きました。終わってみたら区間賞は全部別の大学。毎年戦国駅伝って言われながら、実はそうじゃないことも多いんだけど、今季は本当にシャッフルされている感じがある。今回の箱根は本当に見ていて楽しめるレースになるんじゃないかと思います。

西本 それだけ戦力が拮抗している。

マニア 以前ならここで遅れてもこの区間で巻き返して……とかあったんですけど、今はそういうことを言っている余裕はなくて。ちょっとでも遅れたら、調子のいい大学がガンガン来て、有力な大学がダメになるという。中央学院とか意外な大学が一気にくる可能性もあると思います。

今回は箱根駅伝の流れが変わるターニングポイント

ポール あと前々回、前回とコースが変わったじゃないですか。そうなるとレース全体もだいぶ変わるわけです。

マニア 5区の山登りは10年間、23kmと長かったんです。各大学はそれに対する戦略を10年間かけて積み上げてきた。それが前回から5区が短くなり、その分4区の距離が伸びました。またふりだしに戻ってしまったわけです。

ポール 10年以上前は4区が準エース区間だったのが、短くなったことで「つなぎ区間」と言われていたんです。それが長くなったことで、僕はまた4区に準エースが投入されるのでは、と予想したんですけど、意外とそうはならなかった。

西本 2017年の箱根は、各校手探りの部分が多かったんじゃないかな。

ポール その手探りを経験したうえでの戦略が見えるのが2018年なんです。前回と同じような選手オーダーになるのか、それとも違う形が見えてくるのか。今回のレース展開が今後の箱根駅伝の戦略として見えてくるのではないかと。これは箱根駅伝全体の流れとしてすごく楽しみです。