「ちゃるさん(亡くなった叶志郎君)お空に旅立っちゃった(泣)おにいちゃんのことずーっと忘れないよ」
2018年1月に交際関係にあった同居女性の4歳の長男、紺野叶志郎(きょうしろう)君を暴行して死亡させたとして、神奈川県警捜査1課などが8月24日、横浜市緑区の内田正也容疑者(30)を逮捕した事件。叶志郎君の母親のFacebookには愛する息子を失った悲痛な思いが綴られていた――。母親から惜しみない愛情を注がれていた叶志郎君はなぜ命を落としたのか。取材を進めると内田容疑者と母子3人の異常な“家庭生活”が明らかになった。
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救えなかった命に、4年半以上かけた県警の執念の捜査
叶志郎君の死から4年半以上を経ての逮捕について県警担当記者が解説する。
「死亡する約4カ月前に母親と叶志郎君が地元の警察署に相談に来て、内田容疑者からの虐待被害を訴えました。警察が内田容疑者に話を聞くと、殴ったことは認めたものの、母親が事件化を望まなかったため、話は一度収まりました。その直後に発生した事件であり、救えなかった命に、捜査員は執念の捜査を続けてきました。
しかし、捜査は難航しました。事件当時、部屋にいたのは内田容疑者と叶志郎君だけだったからです。本人は犯行を否定していますが、頭部には何らかの強い力をかけられてできたくも膜下出血などがあった。過去の虐待行為があったことからも、捜査1課を中心に、慎重な捜査が進められてきました」
内田容疑者は「暴行はしていない」と容疑を否認しているが、一家をよく知る知人男性は、3人の“異様な関係”を何度も目撃したという。