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 これらからわかることは、ベーシックなしりとりの方法論だと、もうほとんど勝ち方が定まってしまっているということだ。そんなゲームはいつかきっと飽きが来る。しりとりのポテンシャルはまだまだこんなものじゃないはずだ。しりとりの可能性をもっと広げるために、さらなるバリエーションを考えてみたい。いってみれば、「エクストリームしりとり」といったところか。ゲーム性をより上げてみた新しいしりとり、たとえばこんなのはどうだろうか。

その1 二文字しりとり

 名前の通り、終わり二文字をとってしりとりをする。

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ビートたけし→消しゴム→ご無体な→稲川淳二

 いながわじゅ「んじ」。あ、おしりから二文字目に「ん」がついた。負け!というわけである。お尻に「ん」が付く言葉はすぐわかるが、お尻から二文字目の「ん」はついつい見落としがちになる。そんな心理を衝いてみたルールだ。

その2 尻を二文字目に食い込ませるしりとり

 お尻の文字をとったあと、その文字が「二文字目」に来る言葉を出してつなげてゆくというルール。

ワンピース→ガスボンベ→シベリア鉄道→東京都知事→マジックミラー→ポーツマス条約→核実験→あんパン

 こんな感じである。「マジックミラー→ポーツマス条約」の流れでもわかる通り、「ー」(伸ばし棒)もそのまま使える。そして「核実験→あんパン」の流れのように、「ん」も使えるわけである。ひたすらラリーを続けていくことが目的ならそれでもいいのだが、一応勝敗を付けたいという状況には不向き。なのでそのような状況の場合、さらなるルールを追加する。「NG語尾」を設定するのである。普通のしりとりなら「ん」にあたるものを、たとえば「し」とか「ら」とか、任意に決める。使用頻度の高い文字であるほどやりづらくなるはずだ。もちろんワンゲーム中に「NG語尾」を変更するのもありだ。

NG語尾「い」
あんパン→電器店→関西弁→弁財天→三毛別羆(さんけべつひぐま)事件→新装開店→連続殺人犯→ナンジャタウン→論説委員→南総里見八犬伝→ベン・ジョンソン→親近感

 そんなわけで、普段は使えない「ん」を使いまくる応酬を考えてみました。こう並べてみるとなんだかビート感にあふれている。声に出して読みたいしりとり。

その3 一文字ずつ増えてゆくしりとり

 前の言葉から必ず一文字ずつ足してゆくしりとり。当然長くなるほどに難しくなる。

りんご→ゴーレム→村祭り→理科教師→神経症→海は死にますか→回転寿司行こう→後ろを振り返るな

 こんな感じで。ある程度つなげたら、このつながりをもとにストーリーを考えてみる。りんごをかじっているゴーレムが村祭りに行くと、理科教師に会った。理科教師は神経症で、さだまさしを歌いながら日本の風土を憂いている。ゴーレムはすっかり哀れに思ってしまい、彼を回転寿司に誘った。回転寿司でマグロをつまみながら、理科教師に告げる。「後ろを振り返るな」と。当然、意味はわからない。わかることは、長くなるほど単語一つでは収まらず、文章と化してゆくしかないということだ。

 しりとりは単に言葉を発見して並べてゆくという楽しみばかりではなく、たった一文字が共通しているというだけで、本来なら無関係な言葉同士がどこまでもつながっていってしまう奇妙な文脈を作る楽しみもあるのだと思う。しりとりを、浮かんでははかなく消えてゆく言葉の連続と捉えて楽しむ遊び方もありだ。しかし、言葉と言葉の変てこな連結を楽しむ遊び方も悪くない。

 なお、ある程度の長さを達成したら、逆に文字数を減らしてゆくという遊び方もある。

後ろを振り返るな→涙を拭きなさい→今は耐えるんだ→だらしない日々→ビール呑んで→電話して→手土産→ゲリラ

 ストーリーはあなたの胸に託します。


次回はさらに難易度を上げて、さらにエクストリームなしりとりに!