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山健組と池田組の離脱の影響で、神戸山口組は約510人に大幅縮小

 6代目山口組分裂前から、政府は暴力団を反社会的勢力と位置付けて経済界からの排除を進めてきたほか、2011年10月までに全国で整備された暴力団排除条例による規制も強化された。全国の暴力団組織は縮小傾向にあり、最大組織である6代目山口組も例外ではない。

 前述したように分裂後の2015年末の6代目山口組の構成員は約6000人、神戸山口組は約2800人だった。6代目山口組はその後、2017年には5000人台を割り込み約4700人となった。以降、2018年には約4400人、2019年は約4100人、2020年は約3800人、と毎年300人ずつ減少した。

 神戸山口組は任侠団体山口組の脱退の影響もあり、2018年には約1700人となり2019年は約1500人、2020年は約1200人となった。そして、巨大派閥の山健組と、池田組の離脱の影響が大きく2021年には約510人へと大幅に減少した。

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弘道会は約900人、山健組は約500人

 一方、6代目山口組の2021年の構成員は約4000人と暴排条例施行以降、初めて増員へと転じた。山健組加入のためだった。警察当局によると、同年に確認された山健組の構成員は約500人。神戸山口組の総数とほぼ同じだった。さらに、同年の6代目山口組の中核組織、弘道会は約900人だったことも判明。弘道会単独でも神戸山口組を大きく引き離している。

6代目山口組の司忍組長 ©️時事通信社

 6代目山口組の事情に詳しい指定暴力団幹部は、「弘道会の組織は警察が把握している以上に大きい。周辺者も合わせると2000~3000人はいるはずだ」と明かす。神戸山口組については今年8月に侠友会も離脱を表明しているため、さらに構成員数は減少している。対立抗争は8年目となり、構成員数からみると最終局面を迎えつつある。(文中敬称略、一部の肩書は当時)(#3に続く)

山口組分裂の真相

尾島 正洋

文藝春秋

2022年5月25日 発売

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