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多数決の結果は? 前代未聞の事態に発展
鷹司統理は芦原氏を新総長とする正式な文書を関係者に配布。芦原氏は登記手続きを進めた。ところが、「人事は保留」と捉えていた田中派は激怒して、芦原氏は総長ではないという仮処分を求めて旭川地裁に訴え出たのだ。6月下旬の臨時役員会は3時間に及ぶものになった。
「結局は多数決となり9対6で、田中派が上まわった」(社会部記者)
面子を潰された鷹司統理は怒りが収まらずその場で、
「ポイントは(田中氏ら執行部が)職員の懲戒解雇の件で最高裁において負けたこと。そうした状況にある人を、健康、経験で問題がないとしても、総長に私は指名する気はないのですよ! 神社界は非常に苦しんだ問題があり、その間代表だった人が総長五選に挑戦される。それで、神社界を、透明性と公平性を保つ形に持って行けますか?」
と、田中氏の総長指名を拒否するという前代未聞の事態に発展した。
新旧事務方トップが正当性を主張し並び立つという「まるで南北朝時代の再来」(前出・記者)という様相になってしまったのだ。
「現状では、神社界は国民から支持を得られません」
冒頭の意見広告は、こうした“内ゲバ”の最中、統理支持派が出したものだったのである。広告主となった神奈川県の神職が語る。
「最高裁で負けても責任を一切取らずに居座り続ける現在の田中執行部体制は疑問。現状では、神社界は国民から支持を得られません」
背景には田中派に有利な状況が生じたこともある。旭川地裁は7月になって田中派の訴えを受け入れ、仮処分を決定。新総長が決まるまで、田中氏が暫定総長となった。田中氏らは裁判所の決定という「錦の御旗」を手に入れたことになる。