『最後のジェダイ』と対照的に、大ロングランの『日馬富士暴行事件』

おぐら 今年もあっという間に年末ですね。

速水 年末の風物詩と言えば、紅白の出場歌手発表と『スター・ウォーズ』。

おぐら 最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、公開2週目にして早くも観客動員のペースダウンが伝えられてます。

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ルーク・スカイウォーカーを演じるマーク・ハミル ©getty

速水 へぇそうなんだ。日馬富士の暴行事件を巡る相撲界のごたごたは、6週間経っても、いまだにワイドショーの話題の中心と大ロングラン。

おぐら 昼間にテレビのワイドショーを見ていると、本当にずっとやってますよ。相関図を示したパネルが一体何枚作られたことか。

速水 正直、そこまで話題にすべきものかな? 相撲の世界や協会が閉じてようが、開かれてようが、関係ないでしょ。

おぐら 情報公開と説明責任の時代ですからね。相撲の世界は神聖視され、伝統の名の下にアップデートをしないまま、ここまできてしまった。

速水 すべてを丸裸にしろって、宗教とかにまで当てはめるべきじゃないと思うよ。相撲はそっちでしょ。

おぐら 丸裸はダメですよ。まわしは締めないと。

速水 これは相撲の健全化ではなくて世俗化。

おぐら 世俗化を求める立場の言い分としては、日本相撲協会はあくまで公益財団法人なので、そのルールは厳格に適用されるべき、ということなんでしょう。

貴乃花はたった1人で闘いを挑むレジスタンスっぽい

速水 協会の体質改革を訴えている貴乃花親方だけど、彼はまたちょっと違った思想の持ち主だっていうのがややこしい。

おぐら 支援者に送ったメールの全文を『週刊朝日』が公開してました。「大相撲の起源を取り戻すべく現世への生まれ変わりの私の天命がある」「国家安泰を目指す角界でなくてはならず“角道の精華”陛下のお言葉をこの胸に」と。

記者会見にのぞむ貴乃花親方(2017年12月20日) ©JMPA

速水 『スター・ウォーズ』観ちゃったんだろうね。協会=ファースト・オーダーの台頭によって乱れた角界に、フォースによるバランスを持ち込むべし、みたいなことでしょ。

おぐら ちょっと何言ってるかわかんないですけど。でもたしかに貴乃花は、たった1人で闘いを挑むレジスタンスっぽい。

速水 微妙にどっちも暗黒面に落ちてる感じはぬぐえないけどね。それに相撲協会の臨時理事会なんて、共和国の銀河元老院みたいな感じだったよ。

おぐら 映画のワンシーンのようではありましたね。『アウトレイジ』とかで見たことあるような。

速水 全員親方。

おぐら 「お前んところはどういう教育してんだ、この野郎!」

速水 「いくら古参の幹部でも、調子に乗ってると容赦しねえぞ、この野郎!」

おぐら そもそも抗争のはじまりは、日馬富士がシャンパンのボトルを振り上げたところで、手から滑って落ちたと。

速水 シャンパンボトルは、フォースの持ち主が使わないと武器として役に立たないんだよ。

おぐら それはライトセーバーですね。結局はカラオケのリモコンで頭を数回殴ったと報告されています。

速水 電気の力に頼るとは、パダワンとしてはまだまだ未熟だな。

おぐら 別に電気は使ってないです。

速水 でもさ、上司の前でスマホを出してLINEの返事してたら激怒されたとか、日本中で起こってそうだよね。暴行を止められなかった白鵬と鶴竜まで責任を追及されてるし。

おぐら 「戦争にでもなったら誰が責任とるんじゃボケェ!」