ロンドン留学で何を学んだのか?
そんな“堅実思考”の加藤が選んだのが、ロンドン留学だった。実は英語を学びたいという思いは、以前からあったという。
「11年のミュージカル『レ・ミゼラブル』に出演した際のこと。稽古ではイギリス人スタッフから演技指導を受けていました。ただ、通訳を介してのやり取りだったため、どうしても相手の意図が理解しきれなかった。それでいつか英語を学びたいと考えるようになり、高校に上がるタイミングで、留学することを決意したようです」(同前)
ロンドンでは寮に住み、サッカー部に所属。週末はミュージカル鑑賞をしたり、美術館に足を延ばしたりした。だが遊んでいるだけではない。高校生活を送りながら、放課後に通ったのが、現地の俳優学校だった。
「英語のセリフで演じるのはもちろん、時にはお題を出され、即興劇を生徒たちで作ることも。英語でやり合いながら、言葉を学んでいったようです」(同前)
高校3年生で一時帰国した際に出演したのが、ミュージカル『KID VICTORY』。アメリカで上演された作品を輸入したものだ。演出家の奥山寛氏が語る。
「稽古を開始した時には、既に台本が丸ごと頭に入っていました。英語で書かれた台本も読み込んできており、日本語では表現しきれない深い解釈で演じてくれました。母親に思いの丈をぶつけるシーンでは、稽古中でさえ周りが静まり返るほど、人を惹き付ける演技をしていました」
父親に話を聞くと…
受験生役を演じた昨年のドラマ『ドラゴン桜』(TBS系)では、ラップに乗せて英語を披露した加藤。いまは現役の大学生だが、自身が育った郊外の実家から通っているという。売れっ子俳優でありながら、都内のタワマンで1人暮らしなどはしないのが彼らしい。
加藤の父に話を聞いた。
――今もご実家から?
「そうですね」
――英国にも留学して、英語も身につけて。
「良い学校だったんじゃないですかね」
――ご活躍されているのをどう見ていますか?
「本人が好きでやっていることなので、もちろん応援しています」
“おとな店長”の堅実生活は続く。