互いを理解しようとする姿にじわりと幸福を感じる作品
『違国日記』(ヤマシタトモコ 祥伝社 ¥748~792 既刊9巻)
――家族だって 違う国の住人
少女小説家の高代槙生は、交通事故で亡くなった姉の娘・朝を引き取る。人見知りの槙生と仔犬のように人懐っこく好奇心旺盛な朝との共同生活で語られる、槙生と朝の母との微妙な確執。朝と亡き両親との客観的対峙。世代も性格も人との距離感も大切なものも違う二人が会話し、互いを理解しようとする姿にじわりと幸福を感じる。
『の、ような。』 麻生海 芳文社 ¥649~682 既刊5巻
――家族はなるのではなく 作っていくもの
ひとり暮らしの希夏帆は、恋人の愁人とその親戚で両親を亡くした兄弟と突如家族になる。激変した生活に戸惑いながらも受け入れ、自分の産んだ子だと逃げ場がなくて苦しいのかもと考えもする。〈はじめたばかりだし うまくいかない事多いだろうけど そんなのあたり前だからいいじゃない〉など、ハッとする言葉も多い。
サイコな毒母マンガと話題
『血の轍』 押見修造 小学館 ¥607~715 既刊13巻
――家族とは常に危うさを孕んだもの
中学2 年生の長部静一は母・静子から愛情をたっぷり注がれ、平穏な日々を送っていた。だが夏休みのある日、親戚と出かけたハイキングでショッキングな事件が起き、静一は母への疑念と愛憎の果てに狂気へと誘われていく。サイコな毒母マンガと話題だが、本作で描かれる家族の描写には、誰しも思い当たる普遍性もある。
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マンガ好きな声優・西山宏太朗さんが表紙の表紙の『クレア2022秋号』では、お仕事部門や女の人生部門など「夜ふかしマンガ大賞」の全貌、和山やまさん×つづ井さんの対談などが掲載されています。