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「ここでは下車しないように」と放送される、駅舎が宿の比羅夫駅
ニセコの次の比羅夫の名は、7世紀に蝦夷征伐に来た阿倍比羅夫が羊蹄山(後方羊蹄〔しりべし〕山)に政所を置いた故事に由来する。かつて羊蹄山への登山口として賑わったシャレー(山小屋)風駅舎は、旧宿直室や倉庫を改造して、昭和62(1987)年から「駅舎に泊まれる民宿」として営業している。
夏季は夕方になると宿泊客が駅のホームでバーベキューをするので、夕方の列車の停車中は、乗客から窓越しにバーベキューの様子をじっと観察されたりする。
最近は夏休みシーズンなどなかなか予約が取れないが、宿泊しなくとも、物珍しさから駅を訪れる旅行者の姿も見られる。ところが、比羅夫到着が近づく1両編成のディーゼルカーで、通常の到着案内に続けて、次のような自動音声の車内放送が流れた。しかも、日英2ヵ国語である。
「比羅夫地区へおいでのお客様に、ご案内いたします。比羅夫駅からは交通機関がありませんので、比羅夫駅では降りずに、倶知安駅から、路線バスやタクシーなどをご利用ください」