中日・岡林勇希外野手が、今季161安打の記録を残し、DeNA・佐野恵太外野手と並び「最多安打」のタイトルを獲得した。高卒3年目では、1994年のタイトル創設時のイチロー氏以来28年ぶりの快挙。岡林は「初めてのタイトルなのですごくうれしい。このようなプレッシャーの中、野球ができたことは今後の野球人生において成長になると思う。自分一人ではここまでヒットを積み重ねることはできませんでした。立浪監督、コーチ、裏方さんに感謝したい」と感謝を伝えた。これはいわば“表バヤシ”。
この言葉に一切の偽りはないだろう。今季の大活躍、大ブレイクに何の疑いもない。開幕前の指のケガをこらえながら、必死にプレーして外野のレギュラーをつかんだ。ごく近くで見てきた記者が最多安打を祝うと、「ようやく肩の“荷物”がおりましたね~」とド天然に答えてくれるほど、濃密なプロ3年目になった。20歳になって駆け抜けた7か月は、周囲から見れば輝かしいものかもしれない。
しかし、この2人だけは“裏バヤシ”の存在を知っている。グランド内外でバヤシの面倒を見る中日・加藤翔平外野手、郡司裕也捕手の2人に「バヤシトーク」を提案。ダメ元で頼んでみたら快くOKの回答をいただいた。ここだけの温度感、濃密感をお楽しみください。
※会話は全てLINEのトーク機能で行いました(文中のカッコ内は筆者による補足です)
2人だけが知っている岡林の“長所”と“短所”
長尾(以下、長)「よろしくお願いします!」
加藤翔(以下、翔)&郡司(以下、郡)「(スタンプで)はーい!」
今季、大ブレイクした岡林。「#ぐんばやし」「#かとばやし」など、選手同士のペアリングも注目があつまった。極めて良好で、ときに異常なスキンシップだが、初めて会ったときの印象は両者とも違っていたという。
翔「初めて会ったときのことは全然覚えていません。そもそも去年1年間、会話した覚えはほとんどないです。僕が一時、寮に住んでた時期もあったんですが、ほとんど姿を見なかったです」
郡「初対面は、新入団会見のときですね。彼はすっごい人見知りでした。めちゃくちゃ敬語使ってました。今では考えられないほどに……」
翔「僕も、いつも間にかなめられてましたね……」
好印象&ノー印象でスタートしたバヤシ。そこから相手をしっかり見て「アウト、セーフ」を判断しはじめる。シェアな打撃に、リーグ2位の盗塁数を誇る俊足。そしてゴールデン・グラブも有力視される守備範囲&強肩。これはみんなが知っているバヤシの“長所”。では、2人だけが知る“長所”と“短所”とは?
郡「(長所は)とにかく負けず嫌いですよね。寮のご飯食べながら『(石川)昂弥には負けたくない』って話、5回ぐらい聞きました。ライバル心むきだし。(知り合いの)子どもとゲームしてても、容赦なく『誰が相手であろうと、勝たなきゃいけない。そう教えられてきた』とドンジャラしてましたもん。めっちゃ負けてましたけど」
翔「(長所は)郡司と同じく、負けず嫌いなところに加えて吸収力の高さ」
翔「(短所は)ありすぎるんだよな……。なら3つ挙げます。1つ目は、自分がかわいいと言われているのを知った上での猫かぶり。2つ目は、待ち合わせに早めに来る気がないのか、時間ぴったりにしか現れない。そして最近ひどいのが3つ目。先輩をタクシーや財布だと思っている」
郡「え? そんなひどいことしてるんですか?(やや確信犯的に)」
翔「基本的に(ビジターから名古屋へ帰ってきた)移動ゲームのとき、寮とドームの往復には当たり前のように送迎してタクシー代わりになってます。スタバでは、完全に僕のことを財布だと思って遠慮なくコーヒー飲んでいます。スタバに関しては郡司もだろ!
ちなみに、バヤシのお気に入りはコールドブリューコーヒーと、チョコチャンクスコーンです。最近は、ホワイトモカも。たまにお店にコールドブリューがないとキレてます(笑)」
郡「短所というか、球場で自分のタオルばっかり探しています。最近は『俺のタオル多いなぁ』と言って調子に乗ってます。あと、英語も苦手ですね。ドラマ『silent』が読めずに、『えす、あい、える……えーっと』って頭抱えてました」