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ソフトバンク・嘉弥真新也を直撃! ついにわかった『お立ち台を散髪のためキャンセル事件』の真相

文春野球コラム クライマックスシリーズ2022

2022/10/09

「最近、沖縄の方言が分からなくなってきている」……らしい。

 これが、私の知る最新のホットなカヤマさん情報だ。

 なんと……冗談で、「月刊カヤマ」などと言っていたら3度目の嘉弥真投手での文春コラム登板となった。8月からここまで3ヶ月毎月書かせていただいているので、ドラマであれば1クールである。これはもう、誰がどうみても「月刊」だ。出来れば書店で憧れの「少年〇ャンプ」や「コロコロ〇ミック」の隣に並べてほしい。

 ホークスに詳しくない方が読んでいたらいけないので、再度説明するが「月刊カヤマ」のカヤマさんとはホークスが誇るワンポイントリリーフ、左キラー……人呼んで「火消しの嘉弥真」、嘉弥真新也投手のことだ。

嘉弥真新也 ©時事通信社

 沖縄・石垣島出身の32歳。野球から離れるとおっとりとマイペースで、少し話しただけで気さくなその人柄が伝わってくる。球団公式SNSや中継で様子を伺うと、そっとベンチで脇から周りの選手に声をかけ、時には別の選手のインタビュー中に愛のある野次をボソっと飛ばし(笑)、和ませる姿が印象的だ。脱力系に見えて、気遣いの人。

 そんな嘉弥真投手は21歳で沖縄を離れて神奈川にあるJX-ENEOSへ入社し、その後2012年にプロ入り。福岡の地へやってきた。

 小さいころは「おばあちゃん子」で、たびたび祖母に連れられて近くの商店に行き、そこで繰り広げられる地元のおばあちゃん(おばあ?)たちの「ガールズトーク」(ご本人談!)を聞いていたそうなのだが、その時は方言をしっかり理解できていたのだという。

 しかし……、2017年にはお立ち台で「ミーファイユー!(ありがとう!)」と石垣島の方言を声高らかに叫んだ嘉弥真投手だが、近頃は段々と方言が分からなくなってきているとのこと。

 これは由々しき事態だ。

 地元ではすでにこのことについて、泡盛片手に嘉弥真一族(父が12人きょうだいで、親戚は100人を優に超える)大会議(大宴会?)が行われているに違いない。

 我々ファンができることといえば、声を出して応援できるようになった時に備えて、石垣島の方言で嘉弥真投手の応援歌を作ることくらいだ。

 いや、チームメイトたちの協力も必要だ。甲斐拓也選手には石垣島の方言で打ち合わせをしてサインを出して頂きたい。

 そして打者を抑えるたびに、内野手みんなで「ミーファイユー!」と声を掛け合うのはどうだろうか。なんともピースフルな光景である。

「お立ち台キャンセル事件」の真相

 ところで、前回のコラムで今シーズンのカヤマ史にまちがいなく残る「ヒーローインタビューを散髪のためキャンセル事件」について触れた。

 そんな折、幸運なことにコラムを提出した次の日に、出演している情報番組のインタビュー取材でご本人を直撃することができた。

 あらかた野球の話を伺った後、「8月21日の日本ハム戦で、試合後のお立ち台を『髪を切りに行く』と言ってキャンセルしたのは本当ですか?」と勇気をもって切り出すと……いつもの笑顔でニヤリ。

「本当です」

 散髪のためにお立ち台を断るというのをあまり聞いたことが無いのですが……(笑)。

「いやぁ……本当に僕、よく髪切るんですよ……。短いんで月1くらいで行かないと気が済まなくて」

 そういう問題ではない、と私は心の中で盛大にツッコミを入れたが、それを口にするほど親しい仲でも無い。

 私の心の整理が追い付かないのに、彼は続ける。

「本当に(美容室を)予約をしていて。僕の中でヒーロー(になること)ってなかなか無いけど、予約していたし髪の毛を優先させました」

 そして、もう一度「もともと予約を入れていたので」と繰り返した。

 いや……ヒーローインタビューですよ! 律儀という概念を通り越してませんか!?

 ただ、嘉弥真投手いわく「その日も、先発の和田投手の方がヒーローに相応しい」と思ったそうで、そそくさと「髪、切ってくるので!」と散髪へと向かったとのことだった。

 なんたって、大事な月1の散髪デーだ。万が一行き損ねて翌日の投球に影響があってはいけない。

 ちなみに、延長戦になっていたら、美容室に電話をして「少し遅れます」と正直に連絡をいれるつもりだったらしい。

 そういえば、某ホット〇ッパービューティーで予約をしたのかどうかは聞き損ねて、より詳細な事実関係は闇の中に葬られてしまった。

 石垣島の嘉弥真一族も、さぞかしお立ち台に立っている彼の姿を見たいのではないかと思ったが、「プレーしている姿をみせられればそれでいいんです」とほほ笑んだ。

 注目を浴びることにそれほど関心が無いのか、そんなところが嘉弥真投手らしい……と笑ってしまった。

 これが一連の「お立ち台キャンセル事件」の真相だ。