国際的な物価高と記録的な円安で、夏休みにアメリカなどへ海外旅行した人がとんでもない値段を支払うことになったことは話題を呼んだ。ファイナンシャルプランナーの花輪陽子氏が、今後の海外旅行の動向と、注目のリーズナブルな訪問先について解説する。
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「朝食が家族4人で1万円かかった」
いよいよシルバーウィークですね。3年近く我慢をしてきた海外旅行がやっとできると思っている人も多いのではないでしょうか。9月7日から日本の水際対策は緩和され、日本人を含むすべての入国者に求めてきた陰性証明書に関して、3回目のワクチン接種を済ませたことを条件に、免除が決まりました。
しかし、一時1米ドル145円目前まで進行した円安と世界的な物価高は海外旅行に深刻な影響を与えそうです。特に米国のインフレは深刻で、夏休みにハワイやニューヨークに旅行をした人たちが現地の物価に驚いた……ということが日本のメディアで度々報道されました。
「高級とは言えない平凡なカフェで朝食をとったら家族4人で1万円程度かかった。特別な物は食べていなくて、パンとコーヒーとかで……」
最近ニューヨークに旅行したという日本人数人に聞いたところこんな答えが複数返ってきたのです。サンドイッチとコーヒーなどの朝食で1人20米ドル程度かかる店も多く、円安も拍車をかけ、日本円に換算するとそれだけで1人あたり2900円程度(1米ドル145円で換算)になったというのです。
地元ならでは、といったローカルなお店に行けば5ドル程度(約725円)でサンドイッチとコーヒーを食べられるような場所もあるようですが、治安が悪く子供を連れて行くのは不安なエリアだったという声も聞きました。
そんな状況ならば、安心して安価で食べられるのは、マクドナルドやスターバックスなどのチェーン店なのかもしれません。しかし、マクドナルドの価格を比べても日本よりずっと高いのです。
各国の物価を測るビッグマック指数(https://www.economist.com/big-mac-index)でビッグマックの値段を比較すると、1位はスイス6.71米ドル、6位は米国5.15米ドル。日本は41位で2.83米ドルとなっていて、米国を0とすると日本は-45.1%。つまり、米国は日本の物価の約2倍になります。