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サマソニの隣で6500人ノーマスク集団が… 排外主義、陰謀論で党員10万人を集めた“参政党現象”の“正体”

2022/09/21
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 しかし、パーティーで取り上げられた話題の中には「安倍晋三元首相殺害事件にまつわる陰謀論」「ワクチンの繰り返し接種は死の階段をあがること」「ある地域の電力の8%を太陽光に替えると自然に生きている生物が全部死ぬ」などの過激な主張も含まれていた。

 6月22日公示、7月10日に投開票が行われた今回の参議院議員選挙が国政初挑戦だった参政党は、比例代表に5名、全45の選挙区すべてに候補者を擁立した。計50名の立候補に必要な供託金だけで1億6500万円。参政党は多額の選挙資金を調達するため、2回の政治資金パーティーを開いている。

 1度目は5月8日にパシフィコ横浜で行われた「イシキカイカクサミット2022」。全5000席を完売し、Tシャツ、書籍、講演DVDなどのグッズ販売とあわせて約1億2000万円を集めた。2回目となる8月21日の予祝パーティーのチケットも選挙前から販売し、その収入を選挙資金に充てている。

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 党によると、予祝パーティーには会場、オンライン合わせて約7000人が参加し、寄付も含めて2億円が集まった。

パシフィコ横浜での政治資金パーティーに集まった人々 (筆者提供)

党費は自民党や立憲民主党の12倍

 参政党の理念は「活動も政策も人材も、自分たちでDIY(Do It Yourself)していく」だ。党員が議員として活躍したい場合に「受講必須」と勧められる「参政党DIYスクール」の受講料は、通学が18万円、通信が6万円。他党の「政治塾」には参加費1000円のものもあるから桁が違う。あまりに高額な印象だ。

 その点を参政党事務局長の神谷宗幣に問うと、「必須というのは、ある意味セールス文句ですよ。強制はしていません」と笑った。

 参政党の党員種別は、党費月0円のサポーター、党費月500円のメルマガ会員、党費月1000円の一般党員、党費月4000円の運営党員にわかれている。一番高額な運営党員には、大規模イベントへの運営参加資格、政策立案における投票権、公認出馬議員の党内予備選挙における投票権などが与えられる。しかし、党費は自民党や立憲民主党の党費(年間4000円)の12倍。安くはない。

「政治にはお金がかかります。運営党員には有料セミナーの動画を無料で流すなど、学びの機会も提供しています。トータルで考えればメリットがあると思います」

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