〈あらすじ〉
1980年代初頭のナポリ。ヴァンダ(アルバ・ロルヴァケル)は、ローマのラジオ局で朗読を担当する夫のアルド(ルイジ・ロ・カーショ)、娘アンナ、息子サンドロと平穏に暮らしていた。ある日、アルドが浮気を告白、ローマの愛人宅に移り住む。定期的に子どもたちに会いに来るが、納得していないヴァンダは精神状態が徐々に不安定になり、自殺を図る。一命をとりとめた彼女は、女手一つで子どもたちを育てることを決意する。
数年後、久々に家族と再会したアルドは、その日からナポリの家で暮らし始める。夫婦は冷え切った関係のまま老齢を迎え、ある夏、バカンスを終えて自宅に戻ると、家中が荒らされ、ヴァンダの愛猫が失踪していた――。
〈解説〉
脚本・監督は『ワン・モア・ライフ!』のダニエーレ・ルケッティ。ドメニコ・スタルノーネの小説「靴ひも」を原作に、家族のいびつな繋がりを描く。100分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆離れて暮らす夫と妻子。いびつな暮らしでも家族の絆は思いがけない所にという話。ほぼ喜劇。ちょっと皮肉なラストも。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆ベルイマンに挑みたい気持はわかるが、役者の体質の差を考慮すべきではなかったか。オチをつけるような作劇術も疑問。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆温かな家族愛を描くと思いきや感情移入したら恐ろしい事この上なし。笑えるようで悲しくて時の経過の表現が面白い。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆煮え切らぬ生き地獄の家族模様。負の動力と付き合うタフネスに圧倒された。否応なく輪舞曲は鳴り、面々は踊り続ける。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆伊映画らしい人生の映画。回想と現在の混在による理解よりも松田優作不在の『家族ゲーム』的シニカルな終盤に納得!
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『靴ひものロンド』(伊)
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開中
https://kutsuhimonorondo.jp/