〈解説〉

登場人物の安全を守るために、アニメーションの手法で制作されたドキュメンタリー。アフガニスタンに生まれ育ったアミンは、幼い頃に父親が政府に危険分子として連行され、残った家族とともに命がけで祖国を脱出した。難民生活の中で家族と離れ離れになり、数年後にたった一人でデンマークに亡命する。月日が経ち、30代半ばとなったアミンには、結婚を考えている恋人がいる。そして、本作の監督で親友のヨナス・ポヘール・ラスムセンに、過酷な半生を語り始める。第94回アカデミー賞にて3部門にノミネートされたほか、各国の映画祭で82受賞136部門ノミネートという高い評価を獲得。89分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆スッキリ、サッパリした描線が好ましい。実写の映像の入れ方も。ごく私的でありながら世界史的な物語につながっている。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆激浪に揉まれる人生を社会派の視点でまとめず、ひたむきに凝視する。喪失と幸運が絡み合う逃亡記。アニメの採用も適切。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆目を背けず作品に惹きこまれたのは、アニメの演出の面白さがあってこそ。アミンの過去を解いて結ばれる結末も好き。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆『戦場でワルツを』や『トゥルーノース』に繋がる痛切なルポ。アニメという柔らかな回路でむしろ真実の痛みを深く刻む。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★アイデンティティの喪失。差別と危険。移動と生存について。余白を残すアニメは強烈にスクリーンに焼き付く難民体験。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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