文春オンライン

2022/10/05

43歳で変わらぬピッチングスタイル――能見を、尊敬しています

 そしてもうひとり。能見篤史投手も僕にとっては特別な存在の選手です。同学年で、同じ左投手。阪神、オリックスと所属したNPBの球団も同じです。

 能見(ここからは同級生なので「呼び捨て」で書かせてもらいます。「能見ちゃん」と呼んでいた記憶もありますけど。笑)のことを初めて知ったのは、確か高校3年生のころ。今となっては恥ずかしいですが、あのころ僕と能見、それと平安高校の川口知哉投手(元オリックス)の3人は、「高校生左腕3羽ガラス」なんて呼ばれていたんだそうです。

 とはいえ、僕は茨城の水戸商業で、能見は鳥取の鳥取城北高校。接点はまったくありませんでした。初めて会ったのはそれから8年後、能見が阪神に入団したときだと思います。

 阪神で一緒にプレーしたのは2年間だけだったので、正直に言うとプライベートでめちゃくちゃ仲が良かったとか、そういうワケではありません。

 ただ、高卒でプロ入りした僕にとっては、毎年のようにチームに「同級生」が増えるのは少しうれしかった。能見も、そんな選手のひとりです。

 僕がメジャーに行って以降の能見の活躍ぶりは、わざわざここに書くまでもないでしょう。

 今年、僕らは43歳になりました。この年まで現役を、しかも日本野球界の頂点であるNPBで続けるということは、本当にすごいことです。

 能見のピッチングは、140キロを超える真っすぐとフォークで三振を奪う、ゴリゴリのストロングスタイル。そして、さらにすさまじいのが、そのスタイルを43歳の今まで、もっと言うとチームの命運がかかる試合でもあった9月30日の引退試合まで貫き続けたことです。

 髪の毛に白いモノは増えたけど、それ以外は体型も、ピッチングスタイルも、あのころから何も変わらない――。本人はあまり言ってないようですが、その裏には想像を絶する徹底した自己管理があったはずです。

 同い年の、元チームメイトとして、能見を尊敬しています。

 今まで、本当にお疲れ様でした。

 でも、まだ戦いは終わっていません。能見は「コーチ」の肩書きもありますし、クライマックスシリーズ、そして日本シリーズでも、きっとチームの力になってくれるはずです。

 最後まで、陰ながら応援しています。

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