10月1日、DeNAに0対1で完封負けした時点で巨人のCS進出が消滅。今シーズンの4位が確定しました。意気消沈している巨人ファンの方も多いことでしょう。
でも、僕はこう思うんです。ここから、もっと面白い野球が見られるはずだと。
なぜ、僕は巨人が好きなのか?
僕は純烈というグループに所属しており、ことあるごとに「巨人が好きだ」と公言してきました。よく人から「どうして、そんなに巨人が好きなの?」と聞かれるのですが、うまく答えられずにいました。はっきりと言えるような理由なんて、ないのです。
巨人はファンが多い反面、アンチも多い球団でもあります。実生活でもネット上でも他球団ファンとの摩擦を恐れ、ひっそりと暮らしている巨人ファンも多いと聞きます。
どうして僕は巨人が好きなのだろう……。なかなか思うように勝てない巨人を見ながら、考えていました。そして、ひとつの結論に達しました。
長く見続けているから――。
ずっと好きで、長く応援してきたからこそ、球団の歴史が見えてきます。その歴史のなかには、連続ドラマのようなストーリーが詰まっています。僕はこのドラマが好きでたまらなくて、巨人を応援しているのだと思います。
僕が巨人ファンになったのは、小学生だった1993年。長嶋茂雄監督の第二次政権がスタートし、松井秀喜さんが「ゴジラ」の異名とともにプロの世界にやってきた年でした。僕が最初にはまったドラマは『松井秀喜成長物語』。落合博満さん、清原和博さんのような仲間の力を借りながら、押しも押されもせぬ球界の4番打者へと成長していく松井選手。その姿を追い続けることに夢中になっていました。
その物語は2002年に打率.334(リーグ2位)、50本塁打(リーグ1位)、107打点(リーグ1位)という準三冠王になり、MLB・ヤンキースへと移籍したことで一区切りを迎えました。
勝てない時期こそ見続ける
その後、僕自身が大学に入学して“ギャル男”として遊び歩き、巨人を応援する日常から少し離れた時期がありました。そして、ふと「最近のジャイアンツはどうなってるかな?」と気になって久しぶりに巨人戦を見てみると、不思議な感覚にとらわれました。
若手時代にお立ち台で「サイコーでーす!」と明るく叫んでいた阿部慎之助さんが、ムスッとした表情でキャプテンマークをつけている。そしてヤンチャな雰囲気をまとう坂本勇人選手が、若きスター候補として輝き、内海哲也さんが真のエースになるべく汗を飛ばして奮闘していました。今にして思えば、僕にとって巨人にはまる第2章がここで始まっていたのでしょう。それからは絶えず、巨人が僕の日常にあり続けています。
ファン歴が20年を超えてくると、すべてを受け入れられるようになります。2017年には球団ワースト記録となる13連敗を経験しました。でも、チームが勝てない時期を見続けていると、その後をより楽しめることにいつしか気づくのです。
Bクラスに沈んだシーズンオフなど大忙しです。ドラフト会議で獲得した新人選手について調べ上げ、ファームの秋季キャンプで次世代のホープがいないか情報を集める。次なる「推し」を見つける作業こそ、未来への希望なのです。
推しを見つけることは、ファンが心穏やかに球団を応援できる秘訣だと感じます。たとえチームが勝てない時期があっても、推しが試合に出たり、成長が見られたりすれば満足できるからです。
そして、推しを通していろんな選手のドラマを感じ取ることもできます。なかには大田泰示選手(DeNA)や田口麗斗投手(ヤクルト)のように、他球団に移籍して活躍する選手もいます。そうなると他球団の選手にも拍手を送れるようになり、他球団にも興味の輪が広がっていきます。
つまり、プロ野球とは壮大な大河ドラマなのです。