〈あらすじ〉

 メルボルンの連邦警察官として働くアーロン(エリック・バナ)は、旧友ルークの葬儀に参列するため、20年ぶりに帰郷した。ルークは長引く干ばつにより経済的に追い込まれ、妻子と無理心中を図ったとされていた。彼の両親に真相究明を懇願されたアーロンは、事件に違和感を抱く地元の若い警官と共に捜査を開始する。

 アーロンは17歳の頃、ルークとその恋人グレッチェン、そして思いを寄せるエリーの4人組で青春を謳歌していた。ところがエリーが変死したことをきっかけに、父親と共に故郷を追われることになったのだった。つらい記憶に苛まれながらも、アーロンはルークの事件と、未解決のままになっていたエリーの死の真相に近づいていく。

〈解説〉

 干ばつに苦しむ閉鎖的な田舎町で、過去と現在の事件が交錯するクライム・サスペンス。監督・脚本はオーストラリアで活躍するロバート・コノリー。117分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆少年時代に負った心の傷。罪悪感。過去と現在。二つの物語が交錯する形で描かれるので、ちょっと混乱するが引き込まれた。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆因縁の炙り出し方は定石通りだが、背景となるアウトバックの渇き方がやはり怖い。渇いた小さな共同体はもっと不気味。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆乾ききった大地と、無視するようで監視する人々。記憶の断片の謎が一層の恐怖を捉え、震えあがりつつ引き込まれた。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆因果関係を追っていくと謎解きに唐突感を受けるのが惜しい。だが回想もスムーズだし役者や土地の磁力で面白く魅せる。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆観客を映画へしっかり導く主演俳優。怠慢な銃撃戦もなく『ピクニックatハンギング・ロック』を彷彿とさせる快作。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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『渇きと偽り』(豪)
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