「座席の補助分や航空券代に関わる項目は、搭乗数など数がはっきり出るので、予定よりもマイナスになることもある。しかしスプリングとしては当初計画していた負担金は全て受給したい。そこで、マイナス分を、支出の内訳を曖昧にしやすい『ページ・コンテンツ制作』という項目に乗せ、帳尻を合わせて満額で報告しているのです」
前出のスプリング社員もこう語る。
「2021年度で言えば、ウェブ関連5項目の総額483万9500円のうち『WEBデジタル広告』の170万円については代理店を使うので確かに外部支出の実績があるといえる。しかし、その他4項目313万9500円は使途が不透明なのです」
スプリング社はどう答えるのか?
事実関係を確認すべく、スプリングに質問状を送付したところ、以下の回答があった。
——(ウェブ関連の費用)313万9500円の詳細な使途は?
「『佐賀線タイムセール』『48時間無料レンタカーキャンペーン』のそれぞれの項目について、算出した金額は以下のとおりです(編集部注:スプリング社が提示した表は写真を参照)。この2項目については上記の表で示した合計380万円のうち、最終的に助成金を充当した金額が313万9500円となりました。なお、当施策については内製化の上実施しておりますので、支出先はありません」
——3項目の減額分13万9500円とまったく同じ額が「ページ・コンテンツ制作」に加算されているのはなぜか?
「『実際利用金額』が『利用案』よりも下回った項目があり、助成金を他の項目に充当できる部分が増えたため、表のとおり、実際の費用(124万円)が『利用案』の金額(100万円)を上回っている『佐賀線タイムセール』の『ページ・コンテンツ制作』に、助成金額の範囲で充当させたことが理由です。なお、助成金の項目ごとの利用額の変更については、都度佐賀県からの確認を経ております」
——未使用金額をそのまま同額加算して「実際利用金額」として報告することは虚偽ではないのか?
「虚偽ではありません。(実施報告書は)あくまでも助成金の利用に関する報告書ですので、助成金の範囲内での記載が求められているところ、『佐賀線タイムセール』の『ページ・コンテンツ制作』は(略)助成金の『実際利用金額』113万9500円を上回る124万円の費用となることから、これを助成金の範囲で113万9500円と記載したに過ぎません」