「この負担金は非常に珍しいケースです」
佐賀路線の広報活動に使用した費用は、負担金受給額を下回っているから問題はない——こういう主張なのである。こうした主張が可能なのは、「ウェブ関連の費用」に計上すれば、実際の金額が“ブラックボックス化”されるためだ。スプリング社内部で業務が行われるため、金額の増減、調節が可能なのだ。今回のケースでは、他の費用が減った分を、ウェブ関連の費用名目で増やして、予定通りの助成金を受給している。
スプリングが受給している広報活動負担金の原資は佐賀県民が納めた税金だ。当然ながら、その使途には透明性が求められる。企業の助成金制度に詳しい野口眞寿弁護士が語る。
「補助金や助成金などでは、財政支援を受ける団体が外部支出した費用のみ負担するというのが一般的。この負担金は非常に珍しいケースです。原資が公金である以上、適切な使われ方をしているのかどうか、特に厳密な運営管理が本来は求められますが、『広報』という法的な定義のない言葉のもと、負担金の利用方法が曖昧なまま慣例化してきた可能性があるのではないでしょうか」
そして、小誌が取材を進めていくと、疑惑を深める“報告”がもう1つ見つかった——。
現在配信中の「週刊文春 電子版」では、スプリングが佐賀県への報告とは異なる形で負担金を計上していた社内向けの「利用案」、佐賀県への取材で浮上してきたスプリングの説明の矛盾点、そして弁護士が指摘する佐賀県がスプリングに負担金を支給していることの特異性などを、独自入手した社内資料とともに詳報している。
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