「僕自身、キャンプ歴が浅いのでわかりませんが、少なくともこの2年間でプロジェクターを使っている人は初めて見ました。チェックアウトの際、管理人さんに昨日のコテージ客について訊いてみると『音楽は素直に消してくれたけど、その後、消灯時間を過ぎても焚き火を消さずに騒いでいたから、再度注意しました』と言っていました。相当お疲れの様子でしたね」
森山さんは「せめて、最低限のルールは守ってほしいです」と語った。
キャンプ場で繰り広げられるマウント合戦
キャンプ歴20年を超える畠山正樹さん(仮名)は、90年代のキャンプブームに比べれば、利用客のマナーはよくなっていると話す。
「昔は音楽も禁止されていなかったから、そこら中でギターと太鼓の音が鳴り響いてましたね。バーベキュー後のゴミを放置するのも当たり前、という荒れた状況でした。そうした時代を経て、キャンプ場のルールが厳しくなったので、約4年前にはじまった第二次キャンプブーム以降は、客側のマナーも向上している印象です。それに今は、焚き火跡やゴミを放置したキャンパーはSNSで晒されるリスクがあるので、それを危惧している人もいるかもしれません」
そして、以前は見かけなかった“SNS映え”を意識するキャンパーも急増しているとか。とくに有名なキャンプ場は、定番の撮影スポットがあるので“映えたい人”が集まりやすい傾向がある。
「写真写りが重要だからか、とにかくテントの設営場所にこだわってますね。それから早起きして“朝日と自分”を撮ったり、コーヒーを飲んでる姿をあらゆる角度から撮ったりしているのをよく見ます。自分はキャンプ飯を食べたり、お酒を飲んだりするのが好きでキャンプをしているので、ずっと写真を撮っている人を見ると『何しに来てるんだろう』と、不思議に思います。
富士山のふもとにあるキャンプ場に行ったときには、アウトドア界隈で有名なインスタグラマーが来ていたらしく、列をなして写真撮影会が開かれてました。大自然の中で見ると、あれは異様な光景でしたね」