そのほかにも、動画を撮影しながら延々とひとりで喋り続けるYouTuberなど、令和のキャンプ場はニュータイプのキャンパーであふれているという。
無言のマウンティングに耐えられず、ブランド物に手を出す人も
また、キャンプに使う道具を意味する「キャンプギア」にお金をかける層も少なくない、と畠山さん。
「海外の有名ブランドでギアを揃えたり、入手しにくくなっている大型テントを持っていたりすると、キャンプ場でのヒエラルキーが上位になります。周りが有名メーカーのテントばかりなので、ビギナーがホームセンターで揃えたギアで行くと、恥をかくような状況になっていると思います。
そういうビギナーテントに対して、ベテランキャンパーが小さい声で『あのテント、写真に写っちゃって邪魔だなあ』とつぶやいているのを聞いたことがあるんですよ。そうした周りのテントから漂う無言のマウンティングに耐えられず、ブランド物に手を出す人が多いんじゃないかな」
現場では、SNSにアップされた写真には写らないキャンパーたちのマウント合戦が繰り広げられているのだ。こうした状況から、キャンプギア市場も“ヤバい状況”になっているそう。
「オークションサイトでは、有名メーカーの中古テントが1つ60万円で落札されるのもザラ。ブーム前に僕が1万円で買ったアウトドアチェアと同じ種類のものは、オークションサイトで7万円になっていました。機能性が高いわけでもない、普通のイスでも、ブランドで値段が決まる状況です。
高騰状態が続いているので転売ヤーも横行しているし、キャンプ場では盗難事件も頻発してます。机やランタン、イス、焚き火台など外に出してあるものは盗難に遭いやすいです。マウンティングのために高価なギアを揃えるのもリスクが高いですよね」
今やキャンプは、自然を満喫するだけのレジャーではなくなっているようだ。
キャンプのハイシーズンは夏だが、暑すぎず寒すぎない“秋”を推す声も多い。まだ十分楽しめる季節だが、ヤバいキャンパー認定をされないように気をつけたいものだ。