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監督には扱いづらいコーチだった
そもそも、吉井新監督はなぜ今季、ピッチングコーディネーターという聞き慣れない新設ポストに就いていたのだろうか。前出のチーム関係者が内情を明かす。
「吉井さんは井口監督と不仲で、今年は窓際に追いやられる形になった。吉井さんは選手時代に監督が決めた交代期が不服だと、ベンチ裏で大暴れするなどは日常茶飯事だった。コーチになっても熱い性格は変わらず、その都度監督たちと衝突を繰り返してきた。日本代表の投手コーチになれるほどの指導力があっても監督にとっては扱いづらいコーチとして有名だった。吉井さんより年下の井口監督はなおさらだった」
激情型のコーチを、監督に据えるリスクは確かにある。しかし、NPB球団の元監督は吉井新監督に、こう期待を込める。
「意外に監督は面白いかもしれない。下から突き上げるばかりだったコーチ時代とは違って、さまざまな調整が求められる。我慢しなければ務まらない。『地位が人をつくる』可能性はある。ヘッドコーチを務める福浦とは投打で専門分野の棲み分けができる上、誰とでもうまく付き合える福浦だから相性は悪くないコンビ」
解任に近い辞任だった井口前監督
一方、井口前監督が左遷したコーチが監督として戻ってくるという構図だけに「重光オーナーの前監督への当てこすりに見える」と指摘するのは前出のチーム関係者だ。
井口前監督は18年の就任以降、森脇浩司ヘッドコーチや鳥越裕介2軍監督らダイエー時代の人脈で首脳陣を構成した。重光オーナーら一族はかねて“仲良し内閣”を問題視していたという。井口前監督は監督就任1年目から5位、4位、2位、2位とおおむね順位を上げ、今季は優勝しか狙っていなかった。