サーキットに舞う白煙にも、彼女たちの視界は曇らない。ハイパワー車を華麗に振り回す、「ドリフト女子」たちの素顔やいかに⁉
今回は女性だけのドリフト大会「ルミライズ」(富士スピードウェイにて開催)の参加者のうち、高校生の頃からR34スカイラインを所有する「あいかちん」をご紹介。
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DIYの“ドリ車”に魂乗せて
実はこの車、免許を取る前に17歳で買ったものなんです。昔から車は好きだったんですが、高校生の頃に古いスポーツカーに夢中になってしまって。
自分の車が欲しい一心で、2年生の途中から4つのバイトを掛け持ちして、一気にお金を貯めて買いました。まだ当時はそこまでスカイラインも高騰していなかったので、タイミング的にはラッキーでしたね。
車検なしの状態で買って、そこから整備は基本的に自分でやっています。このパープルの塗装も、「YouTube見ればイケるっしょ」と道具を揃え、見よう見まねでチャレンジしました。
最初はパープル一色でしたが、やっぱりドリフトを練習していると、バンパーなんかはすぐにボロボロになっちゃうんです。なので、前のバンパーはすぐに傷が目立たなくできるよう、家用のペンキを使ってローラーで刷毛塗りしちゃいました。
そうやって自分で安く弄ろうとしているんですが、それでも競技をやっているとエグいくらいお金がかかるんですよ。正直いつも金欠状態ですね。普段はトラックの運転手をしているのですが、それ以前の仕事ではコロナの影響で仕事ができなくなってしまうこともあって。
今年、成人式だったんですが、着飾りたい気持ちを抑えて、愛車に貢ぐために色々節約したんですよ。髪を染め直すのも我慢して、ネイルのスカルプもYouTubeを見ながら自分でやって。そうして浮いたお金をパーツ代やガソリン代に充てています。
この大会では初めて上級クラスでエントリーしたのですが、やっぱりこのクラスになると車のパワーや装備もレベルが高いんですよ。それに比べると、この車はブーストアップもしていない純正エンジンですし、ドリフトに適した仕上がりにはほど遠いんですけどね。
毎回気合いだけで乗り切っているので、それに応えてくれるこの車には感謝しています。走行距離も22万kmで、もうだいぶ頑張っていますが、それでも大きな不具合なく走ってくれているんです。
今は走ることに夢中でこういう状態ですけど、これからはもっと車自体にもお金をかけてあげて、外見も上品に仕上げていきたいと思います。成人式も終わりましたし、今後のテーマは「大人のドリフト」ですね。
写真=坂口尚